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【10日目】リマ旧市街・新市街の散策

リマ旧市街・新市街

2008/03/24

ペルー観光のメインはやはり明日からのクスコ・マチュピチュ・チチカカ湖と考えています。3000メートルを超える高地での滞在+多くの移動がありますので、チリを旅行した体をゆっくりとリラックスさせてあげるために1日余裕を設けたのが今日でした。休息日と考えてはいましたが、せっかくのペルーの首都ですので、軽く世界遺産であるリマ歴史地区(旧市街)や新市街をたずねてみることにしました。

当山ペンションからは旧市街も新市街も少し離れているのでタクシーを使っての移動になります。ペルーではメータータクシーはありませんので、乗る前の事前交渉が必要です。宿のあるヘススマリア地区から旧市街までは車で20分以上かかるのですが、8ソル(300円くらい?)で乗車。大きな移動も細かな移動も、ペルーではタクシーが安くて重宝しそうです。

旧市街ではアルマス広場(写真左)からサンフランシスコ教会(写真右)あたりをのんびり散策。少し危険で注意が必要なエリアだと聞いていたので慎重に歩いていましたが、午前の暖かな日差しが気持ちいいリマ旧市街はそれほど聞いていたような悪い印象は無く、余裕で三脚立ててセルフタイマーでカメラ撮影なども楽しめました。

サンフランシスコ教会のガイドツアー(5ソル)に参加し、地下のカタコンベで2万体を超える骨・シャレコウベとご対面。かつてもどこかのカタコンベで同じような光景に出くわしたことがあったような気がしますが、今回のものが規模・迫力も圧倒的に上で、オススメです。

サクっと旧市街の散策を終え、タクシーで30分ほど南下して新市街へ移動(10ソル)。排気ガスの混じった空気、なりやまないクラクション、そして譲り合い精神の無い運転を楽しみながら(耐えながら?)新市街に到着。歴史地区とは全く違って、きれいなオフィスビルや銀行、そして外食チェーンが公園を囲んで並び立つ、リマの中でもっとも進んだエリアなのでしょう。さっそく、僕らも目の前に見つけたバーガーキングに入ってランチ。その後は新市街を海岸沿いまで歩いて1日の散策を終えました。

夜、当山ペンションに帰ってソファでのんびりしていると、世界一周旅行中の日本人夫婦もいたのですこしおしゃべり。最初は、彼らがこれから向かうイースター島に関する情報交換をしていたのですが、話は意外な展開に。何と、数年前に僕がある方に記事を提供して発売された本があるのですが、そのシリーズのいくつかを読んで勉強中とのこと。僕がかつてそのような活動をしていたことに関して話が盛り上がり、ついつい夜遅くまで。翌朝はめちゃくちゃ早いフライトなのにこうして盛り上がる話があると時間を忘れて楽しんでしまいますね。

【11日目】その1 インカの首都クスコへのフライト

タカ航空

2008/03/25 その1

昨晩の話の盛り上がりを残念ながら切り上げて荷物をパッキング終えたのが夜の10時半。このまま寝るのでとても健康的に思えますが、本日のリマからクスコへのフライトはタカペルー航空TA007便、何と5時40分発。宿の当山ペンションを朝3時半に出るために2時半過ぎに起床することになりました。睡眠不足で行動してもいいのですが、何せ、今回は高度3300mのクスコへ一気に飛ぶわけですから、高山病・体調管理が何よりも大切です。高山病は今回の世界一周旅行で恐れていたことのひとつなので大事に行きましょう♪

今日利用するフライトは、僕らが購入した「ワンワールドエクスプローラ(世界一周航空券)には含まれていません。ルールとして南米内は4フライトまでというのがあるのですが、サンチアゴ⇒イースター島の往復と、先日のサンチアゴ⇒リマで3フライトを使用しており、今回リマからクスコへのフライトと、その先からリマに戻ってくるフライトを加えることはルール上難しかったので独自手配となりました。

タカ(TACA)航空は、中米グアテマラを中心に運航する中米最大級の航空会社グループです。その中でペルーへの国際線やリマ・クスコ間のペルー国内線を運行しているのが今回使ったタカペルー航空です。一度利用してみたい航空会社グループでしたので、この機会にぜひ!と思い、朝早いフライトながら思い切って予約しました。他の国内メジャーであるランペルー航空やスターペルー航空などを使えばもっとゆっくりな出発時間を選ぶことはできたのですが・・・。

フライトは実に快適で、朝食として配られたハムチーズクロワッサンも満足。クスコまでの約50分のフライトはあっという間で、大空に飛び立った機体がそのまま下降することなく3300mを超えるクスコの空港へと着陸しました。

クスコでの宿泊先は特に予約はしていなかったので、タクシーでガイドブックに載っている宿を適当にあたろうと思っていましたが、タクシーのおっちゃんがおすすめするいくつかの宿を見て、その中から良さそうなものに決めるということになりました。このおっちゃんは、クスコ滞在中は何かとサポートしてくれるアミーゴになり、とあるガイドブックに体験談として書かれていた「頼りにするアミーゴを一人見つけておくと楽」という意味が、クスコを出るころに実感することになるのでした。まだこの時点では、「怪しいおっさん」でしかありません・・・。

結局、宿泊先はそおおっちゃんのオススメする Royal Inti という中級ホステルに決定。ガイドブックに載っていないマニアックな宿かもしれませんが、プライベートルーム・バストイレ付き・朝食も付いていて1泊28ドルということで、OKにしました。LANでのネット接続環境などはありませんでしたが、クスコ滞在中はいろいろ動きも多いため妥協。ホットシャワーがこれまでの宿の中でベストで、その点は大満足でした。

チェックインしたのが朝の8時半、そこから数時間、休憩のために昼寝をすることに。そしてその後から、徐々に高山病の恐怖が襲い掛かってくるのでした。

【宿】クスコ Royal Inti ロイヤルインティ

ロイヤルインティ

ロイヤルインティ

クスコのタクシー運転手のおっちゃんの紹介で決めた宿。クスコでの最初の2泊とマチュピチュから戻っての1泊の合計3泊。外観・内装は格安ホステルというよりは中級クラスに見えます。ホットシャワーの勢いがよく、これまで泊まった宿の中で一番のシャワーでした。

マチュピチュ訪問中の大きな荷物の一時保管は無料。朝食はパンとオレンジジュースとホットドリンクというシンプルながら、出発時間に合わせて朝6時からでも準備してくれたのは助かりました。いつでも淹れてくれるコカ茶も、ここのものが一番おいしかった。

ダブルルーム・バストイレ付き 1泊US28ドル

2008/03/25-27・29-30 合計3泊

【11日目】その2 世界遺産クスコの歴史地区を散策

クスコ

2008/03/25 その2

クスコに到着して2時間ほど睡眠をとった後、最初にあさってからのマチュピチュ行きの電車のチケットをワンチャック駅でピックアップし、午後に市内の散策へとでかけました。相変わらず排気ガスで空気は悪いのですが、こんな高地によくここまで発展した町並みが築けていることに驚かされるほど、アルマス広場を中心としたクスコ中心街は明るくにぎわっています。写真左はクスコの中心アルマス広場。

中心から一歩はなれて小道に入っていくと、そこはインカ時代から続く石畳の細い路地が入り混じっていて、その時代へとタイムスリップしたかのよう。ギリギリ車が1台通れるような道に観光バスやタクシーなどが激しくクラクションを響かせ合っています。旅行代理店やホステル、インターネットカフェも随所にあり、街を歩く人がすべて観光客であるかのような雰囲気でした。

アルマス広場から2ブロックほど東に進んだ小道になにやら人だかりが。近づいてみると、ガイドブックにも載っているあの有名な「12角の石」がそこにはありました。どんな細いものさえ通さないほど精巧に積み上げられている石壁で街が覆われているのですが、ここにある石は、周りの石にピッタリフィットさせるために角が12個もあるのです(写真中央)。また、こちらはまだあまり有名でないのかもしれませんが、同じブロック内の民家の石壁にこれまた小さな多角形の石がありました(写真中央)。数えてみるとなんと14角。こちらは僕らがいったときは誰も観光客がおらずに、ひっそりと、でも強い存在感を示していました。

クスコの観光エリアは、このアルマス広場から数ブロック内だけです。1~2時間ゆっくりと歩けば、十分に町並みを楽しめるのではないでしょうか。この時点で午後4時。高山病の症状か、二人とも少し頭痛がしたので休憩のために一旦宿に戻ることにしました。

【11日目】その3 来た来た!高山病

2008/03/25 その3

世界一周旅行での体調管理は何よりも大切ってことは出発前から意識していました。その中でも、ペルーでの「高山病」が、僕にとってはもっとも恐れるトラブルのひとつでした。

ペルーのリマからクスコまで、海抜ゼロから一気に3300mへ1時間足らずで移動します。ガイドブックによると、到着当日~翌日くらいから頭痛・吐き気などの高山病の症状が3人に2人は出るとのこと。

僕は元々、胃切除の影響のため基本的に貧血気味の状態です。恐らく、普通の人よりは高山病の症状が出やすいのではないかと予想していました。3000mを超えるのは初めての経験ですし、果たしてクスコで無事歩き回ることができるのか?さらにその先に控える4000m級の旅に耐えられるのか、出発前の不安のひとつだったのです。

そしていよいよ本日、飛行機でクスコに到着。到着した瞬間は、別に空気の薄さは感じませんでしたし、何か身体に異常を感じるかというと、特に何も起こっていないようです。もしかして、僕は高山病にならない体質かしら?なんて期待を持ちながらクスコ滞在が始まりました。

しかし、やはり簡単には見逃してくれないようです。到着後の昼寝を終えてクスコの街を散策しているときは、つねに頭痛でガンガンしている状態。それはエミも同じだったようで、午後4時前に一旦宿に帰って再度仮眠を取ることにしました。

始まった頭痛は、その後なかなか治まることはありません。ベッドに横になったらなったで、違う頭痛が襲ってきて、体をどんな体制にしたらいいかも分かりません。そんなこんなで悶絶しながら、到着当日のさらなる行動や晩飯すら断念し、そのまま休息することに。

そして・・・、目覚めたときは、翌日の朝6時。気付いたら14時間も眠りについていたようです。その間、頭痛で何度か目覚めたとは思うのですが、目覚めることすらしたくない状態で、それはもう辛いのなんのって。予想していた通りの高山病の洗礼を受けたのでした。

でも、高山病で苦しめられたのは、このクスコ到着初日だけだったようです。その後、4000mを超える旅程でも大して症状は表れませんでした。空気の薄さにも、「慣れ」で順応することはできるようで良かったです。

【12日目】クスコ近郊・聖なる谷

聖なる谷ツアー

2008/03/26

高山病でもがき苦しみ、14時間の睡眠から目覚めた朝は、頭痛もなく案外すっきり。それはエミも同じだったようです。二人して高山病の症状と改善の状況が同じくらいだったのは、とても助かりました(ちょっとだけエミのほうが症状がひどかったようですが・・・)。

クスコ滞在2日目は、昨日申し込んでおいたクスコ近郊のいわゆる「聖なる谷」を巡る1日ツアーに参加です。「高山病なのに大丈夫か?」と言われてしまいそうですが、逆に、クスコでゆっくり時間があってしまうとまた頭痛などの症状がでてしまいそうで、こうして思い切ってアクティブに動くほうが解消が早そうな気がしました。事実、1日ツアー中は体調は絶好調でしたし、高山病なんて忘れてしまっていました。前日の悪夢を振り払うという意味だけでも、こうしてツアーに参加したことは大きな意味がありました。

【13日目】その1 マチュピチュに向かうペルーレイル列車

ペルーレイル ビスタドーム

2008/03/27 その1

念願の世界遺産・空中都市マチュピチュに向かいます。

クスコからマチュピチュに向かう方法は、細かくはいろいろあるようですが基本的にはペルーレイルが運営する列車を利用することになります。一般的に旅行者が利用する列車は「ビスタドーム」と「バックパッカー」の2種類。前者が、天井部分がパノラマになっていたり食事がついたりするハイクラス。後者が通常の列車座席のみの提供のエコノミークラスです。

僕らが選んだのは、マチュピチュに向かう列車が本日の「ビスタドーム」、そして帰りが2日後の「バックパッカー」列車です。一度はパノラマ座席を体験したいけれど、帰りは節約したいということでこうなりました。

クスコからマチュピチュに向かう旅行者で一般的なのが、マチュピチュ村で1泊して翌日クスコに戻るというパターン。到着日にマチュピチュ全体を巡り、翌日朝にマチュピチュ全体が見渡せる「ワイナピチュ」に登るという旅程になります。僕らもこの1泊2日のマチュピチュ訪問を考えていたのですが、ギリギリにネットで予約しようとすると、どうしても1泊で帰れる日程の列車を見つけることができず、やむなく2泊となったのでした。せっかくなので、その2泊のマチュピチュ滞在を有意義なものにしてこようと思います。

2泊分だけの荷物をミニバッグに詰め込んで、残りの荷物はクスコの宿に預かってもらい、朝6時発のビスタドーム列車に乗り込みました。

あらかじめ座席は決まっているのですが、なぜか僕ら2名はバラバラの場所に配置されています。乗り込んでみると、同じように、グループなのに別々の席になっている方も多く、結局は僕らを含めて4人の日本人で1テーブルを囲むという理想的な形に落ち着きました。

同席したのは、千葉県在住の会社経営者の男性と、同じく千葉県在住(奈良出身)の学生さん。お二人とも、日本から強行軍でペルー旅行をされている方でした。僕なら高山病でぶったおれてしまいそうな日程でペルーに来ていることに、驚かされましたが、南米だけを目的とする場合はどうしても日程は強行になってしまうのは仕方ありませんね。会社経営の男性からは、これまでの一人旅の経験や、過去の世界一周旅行のことなど、興味深いお話をたくさんいただきました。ありがとうございました★

列車で提供される軽食を楽しみ、聖なる谷を越えていく車窓を眺めていると、クスコからマチュピチュ村(アグエスカリエンテス)までの道のりはあっという間だったような気がします。人を一人も見かけない大地から、キレイなレストランが並ぶ整備された駅に突然風景が変わったと思うと、そこが終着駅。いよいよマチュピチュ観光の拠点のマチュピチュ村に到着しました。

クスコのおっちゃんを通じて決めておいたホステルの女性に連れて行ってもらい、チェックインを済ませて、いよいよ今日の午後からマチュピチュへと出かけます。

【宿】マチュピチュ村 LAS ROCAS ラスロカス

ラスロカス

ラスロカス

クスコのおっちゃんの紹介。プライベートバス・トイレとホットシャワー、そして朝食が付いているホステルを要求したところ、このホステルになりました。

おっちゃんは「駅と温泉との中間」と言っていたのに、行ってみると、駅から結構坂道を歩く歩く!結局、全然中間じゃなくて、温泉の一番手前にある宿がここでした。温泉の入り口まで徒歩20秒です。

部屋は清潔、快適でホットシャワーも問題なし。とても良いホステルだったと思います。

ダブルルーム・バストイレ付き 1泊US30ドル

2008/03/27-29 合計2泊

【13日目】その2 空中都市マチュピチュ

マチュピチュ

宿泊ホステルに荷物を置いた僕らは、いよいよ念願のマチュピチュに向かいます。

マチュピチュへの行き方ですが、まずはマチュピチュ村の文化センターにてマチュピチュの入場チケットを購入します。チケットが一人122ソル(約4500円)と、ペルーの物価からするとあまりにも高すぎます。さらに、マチュピチュ村から実際にマチュピチュのある場所までは30分ほどバスに乗るのですが、往復でUS12ドルかかります。マチュピチュ観光には1日1人7000円ほど、そして2日券などは無いので、観光した日数分コストがかかってしまいます。恐るべし世界遺産。

2名分のチケットを購入し、さっそくマチュピチュに向かおうとしたころから、ポツポツと雨が・・・。雨季はそろそろ終わってこれからはいい季節だと聞いていましたが、やはりまだ不安定なのでしょうか。出来れば、快晴の中でのマチュピチュ訪問が良かったのですが、まず今日はどんな天候であれ、早く行ってみたいという気持ちが強くありました。

くねくねしたガタガタ道をゆっくり登っていくこと30分。バスはマチュピチュの入り口へと到着します。午後1時、すでに朝から観光を終えて村に戻る人でバス停はごった返していましたが、本日到着組はこれから観光開始です。チケットを提示して、ついにマチュピチュに踏み入れました。

依然、弱い雨は止みませんが、入り口から順路に従って左上の階段を上っていきます。10分くらい登ったころでしょうか。そこには、あの、ガイドブックや世界遺産に関する書籍などで紹介されている、「これぞマチュピチュ☆」の光景が広がっていました。この一瞬を感じるために、遥々ペルーまでやってきたと言っても過言ではないでしょうか。それくらいのスケールが目の前に広がっているのです。しばらく呆然と立ち尽くし、写真をいっぱい撮り、その場から動こうとはしませんでした。

この時間くらいから、徐々に雨は止みつつあり、空の奥のほうからは青空が顔を出しつつあります。このまま快晴に向かってほしいと願いながら、マチュピチュの内部へと潜入します。昨日見たクスコ近郊の遺跡とは、その迫力やスケールは全く違います。インカ時代の古代都市にそのまま迷い込んだかのような感覚を覚え、いくら歩いても回りきれない規模に驚いていました。

2時間ほどマチュピチュ内を散策していたでしょうか。すると、ようやく青い空と暖かな太陽の日差しが差し込んできました。日が照っていると、やはり写真も映えてきます(写真右)。見所をずっとまわって2時間半が経過したころに、気付いたら一周まわって出口付近まで近づいていました。

「今日のマチュピチュ観光はこれくらいで切り上げるかな」
そう思って出口まで進んだのですが、時間はまだ3時半。村に帰る最終バスは5時半とのことですのでまだ時間はありました。また、最初にマチュピチュ全体を一望して感動したあの場所から、「日が差し込んでいるマチュピチュ」を見てから帰りたいという気持ちが強くなりました。そこでエミを説得して、出口ギリギリあと5歩というところから引き返し、階段をまたまた登ってルックアウトへとやってきました。

もう1回来てよかった!そう思えるマチュピチュがそこにはありました(写真左)。夕方近くなると、観光客もほとんど村に帰ってしまうので、この光景を僕らだけで独占。またまたしばらくこの場所から動けない時間が続きました。

この時点でマチュピチュは自分達なりには大満喫。村で1泊以上する人は、翌朝に写真左の奥にそびえ立つ「ワイナピチュ」に登るのがモデルコースなのですが、そこまでするかどうか、この時点ではまだ未定でした。

【14日目】マチュピチュ村は温泉街

マチュピチュ村と温泉

マチュピチュ村で2泊してゆっくりするという日程は、以前書いたとおりあまりメジャーではありません。大抵は1泊(到着日にマチュピチュ全体+翌日にワイナピチュ登頂)でクスコに戻ることが多いようです。しかし僕らは列車の都合で2泊となりましたので、ゆったりと過ごすことができます。

ひとまず、昨日はマチュピチュ全体の観光を非常に満喫したので、今日は丸1日休息日に当てることにしました。マチュピチュ村(写真左)は、ほぼ観光客向けに作られたような村で、とても明るくいろんな店が立ち並びます。名物のピザを食べ、ネットカフェで溜まったメールや仕事の処理をこなし、そして午後は宿の近くにある温泉へと出かけました(写真左)。

マチュピチュ村は別名アグアスカリエンテスとも呼ばれており、「温泉」という意味をさします。この村自体が温泉の村ということです。せっかくだからということで、水着を持ってプールの様な温泉へ入浴。

温度は熱いわけではないけれど、ぬるいとも言えないOKレベル。少し濁ったこの温泉水は何かの効用があるのでしょうか。午後の温泉は、マチュピチュを午前中にまわった観光客で案外にぎわっていました。日本人の旅行者も数人いましたので、これまでの・これからの旅について話し合いながらまったりとした時間を楽しみました。※エミは温泉拒否で部屋待機!

先日の、マチュピチュ村へ向かう列車でも奈良県出身者と同席しましたが、この温泉で出あった大学生3人組も何と奈良県民。それも、僕の地元の駅のスターバックスや、僕の妹がバイトしているファミレスでのバイト経験があるヤツがおり、なんともまあ偶然の出会いを楽しんでいました。

夜は部屋に戻って明日の作戦会議。懸案となっていた2度目のマチュピチュ訪問については、「ゴー」に決定。すでにワイナピチュに登った人からは「かなりキツイ」「落ちそう」と聞かされていたのでビビってはいますが、せっかくここまできたのですからチャレンジしてみることにしました。明日は早朝から始動します。

【15日目】ワイナピチュと月の神殿を制覇

マチュピチュ・ワイナピチュ

2008/03/29

「先日のマチュピチュ散策でじゅうぶん満足できたのでは?」
「でもワイナピチュはせっかくの機会だから登りたいが、大変そうだし」

など、いろいろと検討しましたが、結局、かねてからの予定通り、マチュピチュを空高くから眺める絶景を拝むために、ワイナピチュ登頂を決めました。出来る限り涼しい時間帯、そしてあまり人がまだ居ない状況の中で登りたいと思い、朝7時のマチュピチュ村発のバスに乗り込み、マチュピチュ入り口に7時半着。そこから、先日歩いたマチュピチュの中を順路とは逆行して一気に進行。もう道は分かっているので一目散にワイナピチュの入り口を目指しました。

そしてワイナピチュのゲートでは入場の手続きが行われます。毎日400人しか入場することはできず、お昼前には定員になってしまうとのこと。僕らは7時50分にゲート到着で83・84番目でした。「戻ってこない人をチェックするため」に、ノートにサインをして、いよいよワイナピチュへと入場します。

最初は下って、その後は急な階段をひたすら上がっていきます。途中、危険な場所にはつかまるための手すりがついていたり、大きな人なら通れなさそうな狭い洞窟を抜けたりと、ゆっくりマイペースで登っていくこと40分。そろそろ頂上かというところで後ろを振り返ってみると、先日見たマチュピチュの全景が、遥か下のほうに広がっているではありませんか。マチュピチュを初めて見た2日前とはまた違う、驚きと感激の一瞬です(写真右)。

さて、40分以上かかってワイナピチュの頂上までのぼりつめました。事前に予想していたほど大変じゃなかった!というのが正直な感想です。天気は曇りで涼しかったですし、人も少ない時間帯でマイペースで進めましたので、状況としてはベストだったのかもしれません。余力が残っていた僕らは、もう一つの難所「月の神殿まで行っちゃう?」ということになりました。すぐにバテてしまうと思っていた僕らにとって、事前にはまったく想定していなかったことです。

月の神殿へは、ワイナピチュからの帰り道にある「Great Cave」という矢印に沿って降りていきます。ワイナピチュを登った分だけ一気に降りていくのですが、このルートを歩き始めて10分ほどしたら、あいにくの雨模様。雨具を用意していなかったので、少しずつですが体を濡らしながらの下山となりました。かなりの階段を駆け下りていきますので「帰りはまたこれを登るのか」とビビりますが、踏み出した道を逆戻りするわけにもいかず、月の神殿に向かってひたすら進みました。

結局、最後まで雨は止むことはありませんでしたが、何とか片道50分ほどかけて月の神殿までも制覇。名前を書いて7時50分に入場したワイナピチュの入り口に戻ったのは、11時50分。合計4時間のマチュピチュトレッキングでした。このあとはマチュピチュ中心部を再度ゆっくり見ることは無く、一目散に出口のほうへ。バスに乗り込み、マチュピチュ村に急いで戻って、疲れた体を休めるのでした。

悲願のマチュピチュ訪問はこれでおしまい。2泊3日間で2度入場してそれぞれのマチュピチュを楽しみました。夕方のペルーレイルに乗り込んでクスコに戻ったのが夜10時前。明日はクスコからプーノへ移動します。ペルーの旅は移動が多いですが、それだけ見所が多く、満喫中です。

【16日目】チチカカ湖のほとりの町、プーノへ移動

プーノへ移動

2008/03/30

移動する日の朝は、いつも早い!
今日は朝6時45分に宿をチェックアウトして、クスコを発ちます。向かう先は、富士山よりも高い標高に位置するチチカカ湖のほとりの町、プーノです。かつての予定では、ペルーはマチュピチュを堪能すればじゅうぶんかなとも思っていたのですが、せっかくここまで来たのだから、チチカカ湖にもぜひ行きたいということで、ペルーの滞在をさらに楽しむことにしました。

クスコとプーノの間は、いろんな会社が長距離バスを走らせています。単にノンストップで5~6時間を駆け抜けるバス会社もあれば、いくつかの観光ポイントへの訪問やランチが付いた観光用の長距離バスツアーもあります。僕らは、後者を選択。ガイドブックに載っている「インカエクスプレス社」ではなく、内容も値段もほぼ同じという「ファーストクラス社」のバスツアーを利用することにしました(写真左)。

インカ社・ファースト社ともに、同じ時間にクスコを発ち、同じ観光地をたずね、同じ時間にプーノに到着するようですね。いつも併走していました。この日は、インカ社がほぼ満席、ファースト社は座席の3分の1ほどしか埋まっていませんでした。そのおかげで、最前列を確保し、絶好の眺めを楽しめましたし、何よりバスが新しくて全然揺れず快適。おまけにランチのペルー料理ブッフェもバツグン(ランチだけは2社それぞれ別の場所のようでした)。マイナーかもしれないファーストクラス社、意外とおすすめです。

バスツアーは途中、インカの遺跡や教会、ミュージアムなど5箇所ほどめぐりながらプーノに向かいます。各箇所への入場や見学は自由なのですが、ある箇所で僕らはミュージアムに入場せずに外をうろうろしていると地元の子どもたちがなにやらバレーボールをしている様子。「こっち!一緒にやろう!」と手招きされたので、僕らも突然参加。まさか標高4000mを超える場所でバレーボールをすることになろうとは・・・!空気薄く、すぐにバテます。でも一生に一度の良い思い出となりました。

写真右は、途中立ち寄った、この旅での最高地点標高4335メートル地点。最初クスコに着いたときに悩まされた高山病はすっかり克服し、あれからさらに1000メートル高いこの地点でも平気でした。体はうまく順応するものですね。

そしてあっという間にプーノの街へと近づいてきました。チチカカ湖の拠点ではありますが、町自体はこじんまりしていて、見所はあまりなさそうな様子。到着したバス停で、クスコでお世話になったおっちゃんの知り合いのおばちゃんが待っていたので、適当に良さそうなホステルを紹介してもらい、今日の長い一日は終わるのでした。

ここで格安ホステルを選択しましたが、高度4000メートルの「寒さ」をそれほど想定せずに決めたため、冷えとの戦いが始まることとなりました・・・。

【宿】プーノ CIELO ANDINO シエロアンディーノ

シエロアンディーノ

CIELO ANDINO シエロアンディーノ
Pasaje Grau 118 Puno

プーノでの宿は、ガイドブックに載ってあるいくつかをあたって決めようと思っていましたが、お世話になったおばちゃんがそれらと同じ価格かそれよりも安く、プライベートルーム+バストイレ+朝食付きで提供できる新しいホステルがあるということで、選びました。6部屋しかありませんが宿泊客は少なく、とてもマニアックなホステルという印象。

立地は最高!アルマス広場から徒歩1分でメインストリートや銀行まで徒歩30秒。部屋は清潔でインターネットも無料。LANケーブルのスプリッタを発見したので、MYパソコンのケーブルを差し込んだところ、見事接続!快適にネットにつなげたので、仕事・ブログ更新も快調でした。

ただし、2点だけ・・・。まずはホットシャワーが非常に弱かった。チョロチョロしか出ないので全身に一気に浴びるのは不可能でした。朝夜はめちゃくちゃ冷えるのに・・・。さらに部屋にヒーターが無いので、部屋でじっとしていると凍えてしまいます。標高の高い朝晩が冷える可能性のある土地では、暖かさの確保を意識しておかないといけないと反省。

ダブルルーム・バストイレ付き 1泊40ソル(1500円ほど)

2008/03/29-04/02 合計3泊

【17日目】プーノでの休日をまったり過ごそう

プーノ

2008/03/31

僕らはこのチチカカ湖観光の拠点の町プーノで3泊と、比較的ゆっくり時間をとることにしました。というのも、クスコ・マチュピチュ・プーノと長距離の移動も多かったですし、これまでよりもさらに高地にいるので、あまり無理はかけたくないというのがありました。

プーノ自体には見所はそれほどなく、ほとんどの訪問者はチチカカ湖を1~2日見て次の街に移動していくのではないでしょうか。僕らも今日一日はオフとして、プーノの町でのんびりしていましたが、「やることが無い!」という状態にすぐなってしまいます。

午前中はプーノ全体を歩いて散策していましたが、中心部は30分もあれば歩きつくしてしまうほど。アルマス広場のカテドラルの前に座ってあたたかな日差しを楽しんでいましたが、太陽が雲に隠れると一気に冷えを感じてしまいます。

そんなときに、溜まっているメールやブログの更新などを時間を気にせずにできる環境があればすばらしい。泊まっている宿のLAN回線を自分のパソコンにひっぱることに成功しましたので、午後は久々にゆっくりとパソコンを触ることができました。

午後は大雨で天候は大荒れの様子。こんな日にチチカカ湖ツアーに参加しなくて助かりました。1日余裕を持っていたから良かったです。そんなわけで、明日はチチカカ湖をめぐる1日ツアーに参加することにします。

【18日目】チチカカ湖その1 ウロス島

ウロス島

2008/04/01 その1

チチカカ湖といえば、ガイドブックでしか見たことが無い、あの真っ青な空とそれに負けないくらい青く輝く湖面。そんな光景に出会いたくてチチカカ湖を訪れてきました。そしていよいよ今日はチチカカ湖をめぐる1日ツアー。昨日午後からずっと雨が降り続いていたので、それだけが不安大だったのですが、朝カーテンをあけると雲ひとつ無い青空。不安・心配は一気に期待へと変わっていきました。

宿の出発は朝の6時45分。ミニバスが各ホテルから参加者をピックアップし、ボートが発着する港へ移動。ミニバス2台分の参加者20名ほどがボートに乗り込み、いよいよ出航。船酔いなど心配していましたが、ボートは全然揺れませんし、快適に進んでいきます。

最初に訪問したのはウロス島。チチカカ湖の半日ツアーならこの島だけを訪れることになっているそうです。何がすごいかというと、この島自体が浮いているということ。藁を長年にわたって重ね、補強していった結果、一つの島になってしまい、ここを生活の拠点としている人もいるというから不思議です。

ウロス島

この地で生まれ、育っていく子どもたちは、この島の外の世界なんて知ることなくこのまま大きくなっていくのでしょうか。藁の上で笑顔いっぱいに走り回る子どもたちに視線は完全に奪われてしまいます。

ウロス島での1時間程度の滞在の後、僕らのボートはさらに2時間ほど先へとチチカカ湖の中を進んでいくことになります。

【18日目】チチカカ湖その2 タキーレ島

タキーレ島

2008/04/01 その2

ウロス島を出発した僕らのボートはさらにチチカカ湖の内部へと進んできます。午後の目的地であるタキーレ島は、ウロス島からさらに2時間以上離れたところに位置しており、さらに越えていくとボリビアの国境もすぐそこです。※チチカカ湖の60%がチリ、40%がボリビアに属しています。

タキーレ島は、先ほどのような藁でできた島ではなく、正真正銘の大きな島です。プーノやペルー本土とは違って、現地民族ケチュア族が昔ながらの暮らしを未だに続けている島です。1600人も住人がいるというのだから驚きです。電気・水道も無い自給自足の暮らしです。

そんなタキーレ島に到着した僕らは、石畳・階段をテクテク歩くトレッキングをスタート。マチュピチュで鍛えられたはずの僕らの体ですが、そのときより標高が1500mほどあがっているだけに、ちょっとした階段でもすぐに息が切れて大変です。しかし、歩きながら見るタキーレ島ののどかな風景と、チチカカ湖の真っ青な絶景が、そんな疲れを感じさせないくらい広く青く広がっていました。

タキーレ島では1時間ほどのトレッキングしたあとは、島周辺で取れるトルチェ(ます)のグリルをランチにいただき、タキーレ島にまつわる歴史・文化についてガイドから教わった後に、また別のルートを30分ほど歩いていきます。こちらの島でも、途中、民族衣装を身にまとったたくさんの子どもたちに囲まれながら、青い湖に向かって歩いていくのは気持ちのいいものでした。

島からプーノの港までは帰りは約3時間の船旅。1日の間で船に乗っている時間は6時間以上と、なかなかハードに見える1日ツアーではありましたが、船もまったく揺れずに快適に過ごすことができました。念願のチチカカ湖は、大満足で終了です♪

【19日目】その1 大移動スタート、まずはプーノからリマまで

フリアカ空港とインカコーラ

2008/04/02 その1

昨日のチチカカ湖ツアーで大満足した僕らは、これにてペルーの旅は終了、同時に今回の世界一周の南米滞在はこれで終わり!今日から明日にかけて、南米大陸からアメリカに向けて大移動を開始します。

今日はまず、現在の滞在地プーノから、ペルーの首都リマまで移動する必要があります。プーノには残念ながら空港は無いので、プーノから北に車で1時間ほどいったとろにあるフリアカという街から飛行機に乗ることになります。予約していたランペルー航空LP100便は夕方4時半ごろの出発。それにあわせて宿から乗り合いバス(一人15ソル)で空港へと向かいました。

フリアカ空港は地方のミニ空港。空港も待合ロビーもかなり狭く、2便以上が一緒に出発する時間帯になると座る椅子すら足りなくなります。僕らがついたときは、僕らの便の一つ前のランペルー便が大幅に遅れているようすで、空港は人で溢れかえっていました。幸い、僕らの便は定刻どおりでしたので、前の便の方たちより先にフリアカを発ち、リマに向かう事ができました。

写真右は、ペルーの一般的な飲み物「インカコーラ」です。今回のペルー旅行で初めて飲み、とても美味しくいつも片手にはインカコーラを持っている状態。最後には飽きてしまいましたが、フリアカ空港のカフェで飲んだインカコーラが、最後の1本となりました。記念にインカコーラTシャツも購入できたので満足です。

そんなわけで、高度約4000m地点のフリアカから、一気に海抜ゼロのリマへと18時ごろ到着し、濃い空気を精一杯吸い、日差しの暖かさを感じるのでした。ここからアメリカへと乗り継ぐわけですが、予約しているランペルー航空LP604便は何と24時40分発。これから6時間、空港で過ごすことになります。

【19日目】その2 リマ空港のビジネスラウンジ

リマ空港のビジネスラウンジ

2008/04/02 その2

フリアカからリマ行きの国内線は小さな機体ながら揺れたりすることなく無事に到着。久しぶりにリマの空港へと降り立ちました。

さて、ここからが関門です。今日はリマでゆっくり宿を取って滞在・・・というわけではなく、このままさらにアメリカ・ロサンゼルスへと乗り継いでいきます。ランペルー航空LP604便は、何と日付が変わって夜中の0時40分。空港で6時間ほど過ごす必要があります。

リマの空港はそれほど規模が大きくなく、なかなか時間をつぶすのは大変そう。小さなフードコートが一つとカフェがいくつかあるくらいです。そんなときに、「ビジネスクラスラウンジ」があると、状況は一変します。

しかし、事前に調べた情報(過去の旅行者の日記など)では、リマにはビジネスラウンジが存在せずに、ネット接続も出来ないとのこと・・・。もしこれが本当なら、どうやって空港で過ごそうかな~、と思いながらチェックインカウンターで手続きを開始しました。

すると、チェックインのお姉さんから、「これがラウンジの招待状ね!」とあっさり。リマの空港にラウンジはあるじゃないか!それも招待状にはWifi(無線LAN)も完備と書かれています。これで、出発までいろいろやりながら過ごせます。きっと軽食などもあって夕飯代わりになるんでしょう☆

さっそく、18番搭乗ゲートの裏にある「Salon VIP」というビジネスラウンジに入室。まだ時間が早かったのか、誰一人乗客はおらず、独占状態。サンドイッチやチップスなどの軽食やソフトドリンク・アルコール、シャワールームや仮眠室まで完備。僕がネットをしている間はエミは仮眠する・・・など、自由に思い思いに過ごしました。

午後10時に近づいたあたりから、ラウンジは激混み。リマ発アメリカ各方面の便は、どのエアラインも日が変わった24時台に集中しており、2時間前チェックインを終えた方々が続々とこちらにきて休んでいるのだと思います。

アトランタ行き、ニューヨーク行き、ヒューストン行き・・・、続々とアメリカ行きの便が出発していき、ロサンゼルス行きは最後のほう。そしていよいよラウンジにも搭乗開始のお呼びがかかり、出発ゲートに向かうのでした。これで本当に南米大陸とさようならです。まだまだ行きたい場所がありそうなので、いつか南米にはまた帰ってくるでしょう♪

【20日目】リマ⇒ロス⇒サンフランシスコ⇒そして・・・

アムトラック

2008/04/03

リマ空港のビジネスラウンジでゆったりとした時間を過ごして約5時間。いよいよランペルー航空LP604便の搭乗開始のお呼びがかかりました。搭乗ゲートに向かい、行列の間をすりぬけて手早く搭乗。最近は、「お前らはエコノミーだろ!列に並べ!」ということも言われなくなりました。

今回の機体・座席はどんなんかな?楽しみにしながら用意された前から5列目の席に行ってみると、僕が特に希望していた、あのイースター島往復での機体と同じ、「180度水平フルフラットシート」でした。これなら夜中発、朝着の今回のフライトも快適に過ごせそうです。

24時40分定刻どおりに出発したランペルー便の機内では、さっそく夜の軽食が振舞われ、そして来るべきアメリカでの朝に向けて、ゆっくりと睡眠をとるのでした。それにしてもさすが水平シート、約6時間くらい一度も目が覚めることなく、ホテルのベッドで寝ているかのように気持ちよく熟睡することができました。エミは「硬いし腰がいたくなる!」と言って、完全水平にはしていなかったようですが、僕はもうフラットシートを大満喫。

時差を2時間戻して、アメリカ時間の朝6時、機内ではオムレツ等の朝食が配られ、いよいよ着陸準備に入ります。今回のフライトで、世界一周旅行内でラン航空グループを使用するのはこれが最後です。合計6フライト(5ビジネス+1エコノミー)を使用しましたが、もちろんビジネスを利用したということもありますが、ラン航空は好印象♪なかなか南米に来る機会は少ないかと思いますが、またいつか使ってみたいエアラインのひとつになりました。

さて、降り立ったロサンゼルス国際空港。日本を出発して南米に向かう際は、ただの乗り換えのために降り立ったのですが、今回は・・・、今回も同じく乗り換えのみです。ロスは残念ながら素通りし、アメリカン航空の国内線1928便サンフランシスコ行きに乗り換えて、ちょっとだけ北へと移動します。

アメリカでの最初の目的地はカリフォルニア州のサンフランシスコとサクラメント。両者とも、エミがかつて留学先として滞在したことがある街ということで、北米大陸のスタートを切る場所として選びました。その中でも最初に遠いほう、サクラメントまで一気に移動することにしました。

サンフランシスコ国際空港に降り立った僕らは、そのまま街にでることなく、「バート」という高速交通システム(街中は地下鉄+郊外では地上を走る列車)でサンフランシスコ郊外のリッチモンドという終着駅へ移動します。そしてそこから、アメリカが誇る大陸横断鉄道「アムトラック」(写真)に乗り換え、リッチモンドからサクラメントへと向かいます。

電車旅は合計3時間。昨日からの移動を通算すると、プーノからフリアカ(1時間)・フリアカ空港待ち時間(2時間)・リマへのフライト(1.5時間)・リマ空港待ち時間(6時間)・ロスへのフライト(8時間)・ロス空港待ち時間(2.5時間)・サンフランシスコへのフライト(1.5時間)・サクラメントへの移動(3時間)
⇒合計24時間を越える移動となりました。

そしていよいよアムトラックはその区間の終着駅であるサクラメントへと到着したのでした。

【宿】サクラメント Vagabond inn Midtown バガボンドイン

サクラメント バガボンドイン

Vagabond inn Midtown バガボンドイン

サクラメントには適当なホステル・安宿があまりなさそうだったので、通常のホテルの中でも手ごろなものを発見したので即予約!

しかし着いてみると、ダウンタウンから少し離れており、徒歩圏内では無い様子。車を利用する人が宿泊するモーテルのような雰囲気もあり、しまった!と最初は思いましたが、全然そんなことはありませんでした。

むしろ、ダウンタウンより食事する場所や大型スーパーなどは周辺に充実しているし、ダウンタウンや「Arden Fair」というサクラメント最大のショッピングモールへも近くのバス停から1本でアクセスできます。さらに、ホテルから徒歩1分のところに絶品日本食料理屋「Sushi Cafe」があり、何度も通うことになりました。

ベッド・枕・部屋の大きさ・シャワールームなど申し分なく、大満足。

キングサイズベッド2つのツインルーム・バストイレ付き 1泊US66ドル

2008/04/03-07 合計4泊

【21日目】サクラメントのダウンタウン

サクラメントダウンタウン

2008/04/04

今日から数日間は、カリフォルニア州の州都・サクラメントでゆっくりまったりと過ごしています。これまでの南米のイベント続きの日々とは違って、ちょっと余裕を持った滞在を楽しめそうです。

今日も行動はやや遅め。サクラメントのダウンタウンから東に3~4キロの大通り沿いに位置する僕らの宿から、どうやってダウンタウンにアクセスしようかな。幸いにも、部屋ではWifiが飛んでおりネットが自由に使えますので、サクラメントのバスルートも自室で研究できます。近くの道からダウンタウン向きにバスが走っていることが判明したので、早速外出して探すことにしました。

こうしてアメリカの住宅地でバス乗り場を探したり、バスの乗り方を研究していると、エミも数年前のサクラメント留学のことを思い出せるでしょうし、僕も9年前にカナダでホームステイしながらローカルバスでダウンタウンに毎日通っていたことを懐かしく思い出します。うまくバスが乗りこなせたこと、2時間有効なトランスファーチケットを有効活用して色々行動したこと、それはここサクラメントでもうまくいくと同じようなうれしさを感じられました。

予定通りつかまえられたバスに乗り込み、西のダウンタウンに向かってバスは進みます。途中、左にはシュワルツネッガー氏が仕事する州議事堂があり、10分ほどであっという間にダウンタウンに到着。入り口には、ハードロックカフェが大きく出迎えてくれるようでした。アメリカそして大きな街に来たというのを改めて感じる瞬間です。

ランチには特大サイズのハンバーガーとチップス・オニオンリングを食し、サクラメントで数少ない(?)観光エリアの「オールドサクラメント」まで徒歩で散策。州内のサンフランシスコやロサンゼルスとは比べ物にならないほど小さく観光資源が少ないサクラメントですが、その分落ち着いた雰囲気・都会の洗練された様子を感じながら、時間はゆっくりと進行していくのでした。

【22日目】車が無くてもサクラメントの市内バスを操ろう

サクラメント

2008/04/05

今日のサクラメント散策も、うまく市内バスを使ってスムーズに進めることができました。部屋に無線LANが通っていて、交通局の情報をいつでも得られるのが大きいです。これがなかったとしたら、バスの使い方や路線などどうやって情報を集めていたんだろうかと・・・。

アーデンフェアという、サクラメント最大のショッピングモールに出かけようということになったのですが、宿泊先から北東に数キロ。簡単にアクセスできる場所ではなさそうです。アメリカによくある郊外型の大型ショッピングセンターなのでしょう。車が泣ければ基本はアクセスは難しそうです。

どうやっていけるのかな、とバス路線を調べてみると。一度シティの中心ダウンタウンにバスで出てから、その後2本のバスを乗りついだら何とかたどり着けそう。しかし土曜日ということもあり便数も少なく、所要時間はもしかして2時間以上?

どうしようか困っていたところ、神が舞い降りたかのような路線を発見。まさに宿の目の前から、ダウンタウンとは反対方向に走っているマイナーなバス路線を利用すると高速道路のような1本道を経由してダイレクトにアーデンフェアにいけるではありませんか。それも土曜日には珍しく30分に一本バスがありました。さっそく、宿から徒歩1分のバス停からバスに乗り込み、無事に目的地にたどり着くことができました。

最初は「こんな街から離れた場所、ハズレでは?」と嘆いたホテルの場所でしたが、気付いてみると縦横無尽にバスを利用できるベストな場所だったというわけです。周りにスーパー・レストランも充実しており、おすすめです。

【23日目】サクラメントの懐かしき風景&州議事堂の白い輝き

州議事堂

2008/04/06

「通っていたカレッジに●年ぶりに行ってみたい!」

今日は、今回サクラメントに立ち寄った理由のひとつの、エミの留学先やその周辺の散策にチャレンジする日です。当時はあまり公共交通機関は使わなかったということなので、お得意のネット検索で宿からカレッジまでの行き方をチェック。方法は2通りあって、ひとつは2本のバスを乗り継ぐ方法ですが、日曜日はそのバスは運休のため断念。もう一つの方法である、バスでダウンタウン⇒ライトレール(路面電車)でとあるジャンクションまで行き⇒さらにバスで目的のカレッジまで、というアクセスを取ることに。

路線番号だけと停留所の住所だけをノートにメモして、あとは細かな時刻表なんて気にすることなくただ乗り換えていくのみ。どの路線もそんなに便数は多くないはずなのですが、行き帰りともに驚くほどスムーズな乗り換えを実現させて、カレッジ訪問を果たすことができました。

途中、自身が賃貸で住んでいたアパートやよく使ったスーパーなど、懐かしさ溢れる細かな場所でバスを降りてゆっくり歩いたり、カレッジの中をぐるぐるとめぐったりと、当時の記憶をよみがえらせながら楽しんでくれたんじゃないかなと。僕が通っていた大阪の大学をこんな風にめぐって果たして懐かしさに感動するかどうかは疑問ではありますが、海外で通っていた学校(シドニーやらパースやら)なら、きっとうれしく当時を振り返るんだろうなと思います。シドニーで半年ほど住んでいたアパート周辺は今はどんな感じなんだろう・・・、きっと数年後に訪れるでしょう。

3~4時間の旅を終えて戻ってきたバス亭の近くには、サクラメントが誇る州議事堂(写真)が白くうつくしく輝いていました。今日でサクラメント滞在はほぼ終わりになるのですが、一度も青い空が隠れることもなく、あたたかで落ち着いた印象が残るすてきな街でした。ここは同じカリフォルニア州の大都会サンフランシスコやロサンゼルスとは違って、ゆったりと生活するには最高の街なのかもしれません。

【24日目】グレイハウンドでサンフランシスコへ

サンフランシスコ

2008/04/07

今日は、まったり過ごしたサクラメントから、大都市サンフランシスコまで移動します。先日、サクラメントに入ったときは、バート列車とアムトラックを乗り継いで3時間ほどかけて移動しましたが、今回はアメリカが誇る長距離バス「グレイハウンド」で2時間の移動です。

以前、オーストラリアを一周したときは大変お世話になったグレイハウンドですが、北米大陸で利用するのは僕にとっては初めて。ネットで予約をすると、2名割引(配偶者割引?)のようなものが適用されて、二人で何と25.5ドルという格安。アムトラックなどが割高だったので、今回は予算がういて助かりました。

フリーウェイを2時間駆け抜けるとそこには、対岸に高層ビルが立ち並ぶ風景が。いよいよサンフランシスコに到着です。グレイハウンドのターミナルで降りた僕らは、さっそく予約をしていたホステルを探します。ミニバスなどを乗り継いでいく予定でしたが、天気もよく気持ちのいい日差しを感じていたかったので、キャリーバッグをころころ転がして徒歩で移動しました。サンフランシスコ特有の坂道などの難所も乗り越え、中心部ユニオンスクエアからすぐのダコタホステルにチェックイン。体調も良かったので、そのまま街へ繰り出すことになりました。

サンフランシスコといえば、海の見える坂道を走るケーブルカー。そしてそのケーブルカーに立ち乗り(座席に座らずにサイドステップに足を乗っけるだけ)する人たち。こんなサンフランシスコの風景をさっそく体験してみました。パウエル駅からフィッシャーマンズワーフへと伸びるケーブルカー路線を往復するだけで、今まさにサンフランシスコに居ることを実感できます。

【宿】サンフランシスコ Dakota hostel ダコタホステル

サクラメント バガボンドイン

Dakota hostel ダコタホステル 606 Post st.

ホステルワールドで予約。軒並み宿泊料金が高いサンフランシスコのホステルの中で、手ごろなプライベートルームを見つけました。街の中心のユニオンスクエアから徒歩5分程度でとても便利な場所にあります。

部屋はとてもシンプルだけどキレイで、冷蔵庫や電子レンジ・テレビ付き。シャワーもばっちり出ますし、無線LAN接続も高速で快適。ホステルというよりホテルという印象が強く、好印象です。

また、道を隔てたところにある姉妹店のアデレードホステルの設備も自由に利用でき、キッチンは設備が充実しており何度か自炊を楽しむことになりました。朝食もアデレードホステルのダイニングルームで充実したパンとコーヒーが付いてきます。

この価格でこの部屋・内容は、満足度が非常に高いです。

ダブルルーム・バストイレ朝食付き 1泊US68ドル

2008/04/07-10 合計3泊

【25日目】その1 リーバイス本店

リーバイス

2008/04/08 その1

この旅行には、いつも日本でも履いているジーンズを1本だけ持ってきていて基本的にはこれでずっと通す予定だったのですが、さすがに昔の結婚式の打ち合わせの帰りに買った(3年以上前)もので、その後ほぼ毎日(95%以上)これだけを履いている・・・ということで、ここに来て悲鳴を上げてきたようです。もう糸がほつれて今にも左足の膝より下の部分が裂けそうです・・・。

ということで、アメリカに入ったころから、ジーンズを新調することを考えていたのですが、ここサンフランシスコはその目的にはベストな場所なのかもしれません。なんと、僕らの宿の近く、ユニオンスクエアに面している大きなリーバイスの建物が、世界のリーバイスの本店と言うではありませんか。さっそく、今日の午前中は中をグルグルと巡ってお気に入りの一本を5分で即決。ついに新しいジーンズ入手となりました。

これまでチリやペルーなどでは「ショッピング」とはなかなか無縁の毎日でしたが、サンフランシスコの中心部は何か買い物をしたり旅行で必要なものを補充するには最適なエリアです。「青山のOL」エミの買い物にも熱が入ってきているに違いありません。

【25日目】その2 NBAバスケットボール初観戦

バスケ

2008/04/08 その2

今日は、アメリカ旅行の大イベントの一つであるスポーツ観戦♪サンフランシスコの郊外オークランドの「オラクルアリーナ」で行われた、プロバスケットボールリーグNBA公式戦「ゴールデンステート・ウォーリアーズ」VS「サクラメント・キングス」の試合を観戦してきました。

本当は、2日前にあったサクラメントでの試合を観戦したいと思っていたのです。しかし直前にネットで検索すると、どの席も完売。NBAはギリギリでもチケット入手できるかなと甘く考えていたのですがそうではありませんでした。サクラメントでの観戦は諦め、そのほかの日程で僕らの旅程にあった試合があるかを検索すると、ちょうどこの日にサンフランシスコで見られることが分かりました。一番安いチケットをネットで事前に購入し、会場へと向かいました。

会場のオラクルアリーナまでは、バート列車でサンフランシスコ中心から20分程度のところにあります。隣には、メジャーリーグのオークランドアスレチックスの本拠地スタジアムがあり、この辺り一体はいつもスポーツイベントで盛り上がっているようでした。

1時間前に到着した会場はすでに熱気で溢れています。ホームのウォーリアーズのサポーターが95%を占めていましたが、サクラメントも近い場所にあるのでファンもちらほら。エミもサクラメントの応援にまわるようです。

そして、チケットに書かれている場所に言ってみると・・・驚愕の事実が!

なんと僕らの買った格安チケットは、「スタンディングオンリー」(立見席)ではありませんか。ネット予約の際に「Standhing」という文字はあった記憶はありましたが、ちゃんとシート番号もふられているので簡単な座席はあるのかと思いきや、立見席の管理番号のようなもののようでした。いきなり洗礼を浴びたかたちにはなりましたが、気を取り直してジャンボなホットドッグを食べながら、いよいよ初のNBA観戦となります。

まずはサクラメントキングスの入場は大ブーイングの中で。やはりNBAの中でも熱狂さではトップクラスと言われるウォーリアーズのサポーターの声がアリーナに響き渡ります。続いて、ジャズバンドの演奏と同時にど派手なパフォーマンスによる選手入場が始まり、会場は大歓声。様々な音楽イベントでも使われるアリーナだけに、音響でも気分が盛り上がってきます。国歌斉唱があってようやく試合開始です。

NBAに限らず、バスケットボールというもの自体、観戦するのは始めての経験です。野球やサッカーとは一味違って、一瞬一瞬で攻守が切り替わっていく様子や、パス・切り込み・シュートまでにスピードに驚かされます。ウォーリアーズが3ポイントシュートやダンクを決めた瞬間の総立ちの盛り上がりに一緒に乗せられていきます。

試合は、終始ウォーリアーズがリード。エースのバロン・デービス選手が30点以上を獲得する活躍で、ウォーリアーズが140対132でキングスを下して勝利。この特典は、ウォーリアーズの今期最高得点だったらしく、そんなエキサイティングな試合の現場にいられたことは最高でした★

最初は選手も全く知らず、バスケのルール自体も忘れかけていましたが、観戦しているうちにのめりこんで行き、2時間半という試合時間はあっという間に過ぎ去っていきました。初のバスケ観戦を大満足で終えた一日でした。

【26日目】その1 ゴールデンゲートブリッジ

ゴールデンゲートブリッジ・サンフランシスコ

2008/04/09 その1

昨晩のNBA観戦でサンフランシスコで一番大きいイベントを満喫したので、残り1日半の滞在はゆっくりとこの街で過ごすことにします。本当は日帰りや一泊で世界遺産ヨセミテ国立公園のツアーへの参加なども考えたのですが、自然・世界遺産などはペルーで濃すぎるほど満喫してきたあとだっただけに、二人とも乗り気にはならず、むしろゆるりとしていようということになったわけです。

到着日に購入した3Dayパスは今日まで生きていますので、バス・ケーブルカー・ミュニメトロなど市内交通をフル活用して縦横無尽に動き回りました。このパスは3日間有効で18ドル。ケーブルカーが1回5ドル、その他の市バス等は1.5ですので、それぞれ数回のればじゅうぶんに元が取れます。僕らも余裕で投資分以上は回収できたかと思います。

バス路線が載っている地図を一枚持っているだけで市内を自由にまわれるのがサンフランシスコのいいところ。ユニオンスクエアからゴールデンゲートブリッジへのバスも簡単につかまえることができ、フィッシャーマンズワーフを経由して終点のブリッジ周辺までは坂道と海を見ながらの優雅な旅路です。海沿いに出てゴールデンゲートブリッジを眺められる場所まで来ると、特有の強い風が吹き付けて非常に寒いのですが、赤く壮大な橋の姿は、写真で見るそれとはまた違った素敵な雰囲気でした。

【26日目】その2 ケーブルカー・カリフォルニアライン

2008/04/09 その2

サンフランシスコと言えば、ケーブルカー。サンフランシスコのケーブルカーといえば、パウエル駅からフィッシャーマンズワーフへと伸びる線が有名です。乗り場には観光客が長い行列を作っており、車内は混雑し、途中の駅から乗るにはステップ乗車しかありません。

一方で、マイナーな路線がカリフォルニア線。上記パウエル線と途中で交差する形で東西に伸びているカリフォルニア通りを通ります。観光客の利用も少なく快適ということを聞いたので、3Dayパスの有効期限が切れる前に乗車したいと思い、宿から一番近い乗り場から終点まで乗り、またまた終点からスタート地点まで復路でも利用しました。その時の様子の動画の一部です。

往路は乗客は僕らしかおらず貸切状態。坂道の急な起伏も楽しめますので、確かにオススメの路線です。

【27日目】国際線フライトがキャンセル??

クレームタグ

2008/04/10

今日はサンフランシスコ最終日。アメリカ西海岸エリアに別れを告げて、飛行機で遥か東のほうへと向かいます。サクラメント・サンフランシスコで合計8日間、一度も天気が崩れることなく、すがすがしい風と暖かな日差しは、南米から戻った僕らに休息の地を与えてくれるような、そんな居心地の良さを感じていました。

東へ向かう今日のフライトは深夜便。どうしても予算がかさんでしまう宿泊費を1泊分だけでもうかせられたら・・・と、夜11時20分発のアメリカン航空AA1608便でハブ空港のシカゴへと向かい(朝5時到着)、そこから乗り継いでアメリカン航空638便でカナダ・オンタリオ州のトロントへ向かう便を予約していました。乗継も入れて7時間ほどの旅程です。

サンフランシスコの宿を夜8時に出発し、バート列車で空港へと向かいます。そして、国内線のターミナル3のアメリカン航空カウンターでチェックイン。そこで、トラブルは起こったのでした。

ブライドタッチができない人差し指タッチのおじいちゃんがチェックインの担当。どうやらカチカチとキーボードを売っているものの何か手間取っている様子。そして5分以上が経過して、預ける荷物に貼り付けるタグが出てきました。そこには上記写真のとおりの「明らかに何かがおかしい!」というタグが・・・。

荷物タグに3つの空港コードが記載されているなんて、初めて見ました。最初(一番下)のORDはシカゴ・オヘア空港なので問題なし。問題はその次です。この後は乗り継いで638便でトロント・ピアソン空港(YYZ)に向かうはずなのに、何故かその間に見慣れない空港コードがひとつ挟まれています。よく見るとLGA(ニューヨーク・ラグアディア空港)になっているではありませんか。明らかに予約していたのとは違います。

「予約していたフライトと、それは違うぞ!何でだ?」

「ん~、この3フライトで予約が入っているんだけどなぁ。いや、まてよ、おっと気付かなかった。確かに君らのフライトは638便で予約されていた。でも、この便はキャンセル(運行中止)になっているみたいだ。航空会社のほうで優先的に他の便に予約を振り替えてくれたようだよ」

なんと、予約していたシカゴ⇒トロント便は、何らかの理由で飛ばなくなったそうです。本来ならそこで一旦旅程の組みなおしを検討しないといけませんが、ビジネスクラスで予約している僕らの予約はうまく都合をつけて代替便を見つけてくれたということでしょうか。それがシカゴ⇒ラグアディア⇒トロント、の路線だったのです。

うまく振り替えてくれたことに感謝すべきですが、突然のキャンセルで思いもしない旅程の変更があり複雑なところです。北米大陸での移動に3フライトもするなんて!7時間の予定が11時間かけての移動開始となりました。その分、マイレージはいっぱい溜まるのですが。

【28日目】その1 シカゴとニューヨークを「通過」し、9年ぶりのカナダへ

空港

2008/04/11 その1

昨日のフライトキャンセルトラブルは優先的なフライト変更よって事なきを得ましたが、シカゴからトロントへ直接飛ぶことはできず、シカゴ⇒ニューヨーク(ラグアディア)⇒トロント、というえらく遠回りなフライトとなりました。

まずAA1608便でサンフランシスコを23時50分に出発し、シカゴ到着が朝の5時半。約6時間のフライトと思いきや、時差が2時間ありますので、夜行便とは言え、フライト時間はたったの4時間弱です。ファーストクラスのシートですので何とか眠ることはできましたが、やはりゆっくり熟睡とはいかず、ちょっとハードな移動ではあります。このあと2フライトも続くわけだし・・・。

シカゴの空港は、アメリカン航空がハブのひとつとして利用しているだけあって、同じペイントの期待がズラリと何十機も並ぶ様子は圧巻。朝にもかかわらずとても明るく、活気のある空港でした。朝マックでエネルギーを補給し、7時発のニューヨーク行きAA392便のゲートを目指します。

ゲートでしなければいけないこと、それは「座席の確定」です。今でもワケが分からないのですが、サンフランシスコでボーディングパスを受け取ったときに、「シカゴからとNYからの便の座席は決まっていないので搭乗ゲートで決めてもらってね!」と。搭乗券を発券する際に座席を決めなくていいのか??それともスタンバイ(キャンセル待ち)状態で行かされているのか?

とりあえずニューヨーク行きのゲートでグランドスタッフにたずねる。「シートがまだ決まっていないので、決めて欲しいんだけど・・・」すると、手書きでいろいろとコードやら暗号やらが書かれた僕らのチケットを見て、「That's nice・・・」と苦笑いしながら座席が入ったボーディングパスを改めて発券。やはり何かおかしかったんでしょうか。何とか無事、シートが確定し、AA392便へと乗り込みました。

フライト時間は2時間で到着は午前10時過ぎ(時差は1時間)。本来ならすでにトロントについていただろう時間に、なぜかニューヨーク・ラグアディア空港に到着。写真右のように、皮肉にもしっかりとニューヨークに迎えられたわけですが、ここでも1時間半の待ち時間を経てすぐにAA4839便(アメリカン・イーグル航空)でトロントへと向かいます。

国際線とは思えないほど、めちゃくちゃ小さい飛行機(写真左)に乗り込み、本日3フライト目はやっと北へと針路を取るのでした。ちなみに、この機体はビジネスクラス設定はありませんので残念ながらエコノミー座席に。数日後にトロントからニューヨークに戻ってくるときもこれと同じ機体だと聞きました・・・。

1時間半のフライトは快調。そして雲がかかってめちゃくちゃ寒そうなトロント・ピアソン国際空港へと降り立ちました。1999年の夏以来、約9年ぶりのカナダ入国です。

【宿】トロント All days house 2 オールデイズハウス2

トロントの宿

All days house 2 オールデイズハウス2

ホステルワールドで予約。トロントのダウンタウンから徒歩5分程度でとても便利な場所にあります。24時間営業のスーパーマーケットや、長距離バスターミナルも近い。

全部で6室程度の小さなゲストハウスですので、バス・トイレは共有ですが込み合うことも無く快適です。キッチンは基本的なアイテムはすべて揃っており、清潔に保たれているので自炊も自由自在。オーナーのアダム氏の気配りが随所に感じられます。無線LAN接続も部屋で可能です。

この時期のトロントはまだまだ観光シーズンの手前かと思うのですが、このホステルは常に宿泊客が何組も居て、やはり人気の場所なのだと感じます。

ダブルルーム・バストイレ共同・朝食無し 1泊62カナダドル

2008/04/11-15 合計4泊

【28日目】その2 トロントの人々があつまるところ

イーストンセンターのフードコート

2008/04/11 その2

カナダ・トロントに降り立った瞬間、これは大変なところに来てしまったと感じました。というのも、飛行機から一歩でてすぐに分かる、その寒さ。外はポツリポツリと雨が降っているし、この旅はじまって依頼の気温の低さに不安になるも、公共交通機関(バスと地下鉄)を乗りついでなんとか宿にたどり着きました。

いままでだったら、これだけ大移動を経たあとというのは、昼寝をしたり気付いたら朝まで寝てしまったり・・・、そんなことばかりだったのですが、寒いというのは置いておいて身体は二人とも何故か元気です。荷物を置いてすぐに、トロント最大のショッピングモールのイーストンセンターへとでかけました。

セーター・フリースにマフラーグルグル巻き、手袋も万全ですが、この寒さは本物。きっと気温は1度やら2度やら。そんな中、イーストンモールに入った瞬間、あまりの人の多さにびっくりします。外は雨の中、閑散とした雰囲気で「本当にトロントなのか?」という印象だったのですが、なるほど、これだけ寒いと、みんなモールの中でのんびりしているわけです。

さっそくフードコートを見つけたので遅めの昼食。9年前にカナダに来たときも感じましたが、色んなところにあるフードコートは各国料理が安く食べられるので本当に役立ちます。イーストンセンター内にも2箇所のフードコートがあり、5ドルから8ドルくらいでお腹いっぱいになります。結局、この先トロントでの4日間、毎日昼か夜かのどちらかはフードコートで好きなものを食べることになるのでした。

ハンバーガーやピザばかりでなく、アジア系の料理も多く、カナダの食生活は意外とバランスが取れているのかもしれません。極端な体型の人も少なく、スリムな人が多いというのが、アメリカからカナダに入ったときに最初に感じる印象のひとつです。そんな、色とりどりの安い食事を楽しみながら、極寒のトロント滞在は始まったのでした。

【29日目】その1 極寒・豪雨なら自炊を楽しもう

今日の献立

2008/04/12 その1

昨日見た天気予報どおり、今日は朝から雨がザーザー降っています。明日以降も雨という予報もあれば、晴れという予報もあり、何を信じていいのかよく分かりませんが、明日以降は晴れてもらわなければ困ります。トロントやナイアガラの印象が「寒い」「雨」だけで終わってしまうと残念ですからね。

とりあえず朝からトロントのダウンタウンを徒歩で散策はしたのですが、真っ白な空と降り続く雨の中ではなかなかキレイな写真もとれませんし、傘をさしての観光はやはり負担が大きいですね。そんなわけで街の写真は一枚もアップできません。土曜日ということもあり、相変わらずイーストンセンターの中はめちゃ混みで盛り上がっていますが、街自体は人がそんなに歩いていません。

そんなときは、少し早く宿に帰ってきてゆっくりとリラックスした時間を楽しむというのも旅のコツ。天気が崩れた日があったとしても焦ることなく過ごせるには、ここトロントのように4~5泊して余裕を持ったスケジュールで旅をするのがいいですね。

近くにスーパーマーケットをようやく見つけたこと、そして泊まっている宿のキッチンが広くて使いやすそうなこと、今日の夜はいつもよりちゃんと自炊をしようということになりました。

たまねぎとパプリカ、ハムを炒めて、さらにトマトソースをからめてソースをつくり、最後にゆでたてパスタを思いっきりからめるとこんな感じで具だくさんスパゲティが完成。サンフランシスコでも軽く自炊はしていましたがキッチンに人も多くゆっくりできませんでした。ここトロントの宿は、ほとんど宿泊客を見ないほどですので、時間もスペースも気にすることなく自炊が楽しめました。あまりにも美味しかったことと、食材がまだ余っていたということで、翌日も全く同じ献立を楽しむことになるのでした。

【29日目】その2 1台のパソコンを上手に共有する方法

パソコン

2008/04/12 その2

僕らは1台のパソコンを持って旅をしています。主な用途としては、◎ブログの更新(いっしー)、◎ブログの更新(エミ)、◎仕事のやりとりや制作、◎メール送受信、◎資金管理などです。

宿を選ぶときは、基本的に部屋やロビーにネット接続(無線LAN)の環境があるところを選んでいます。特に仕事も続けながらの旅ですので、できれば毎日メールチェックはしていたいところです。現在宿泊中のトロントの宿も、部屋でネットがつながっていますのでとても快適です。無線LANが難しいところは、宿の共有PCからネットケーブルだけひっぱってきてつないだり、メモリーカードに必要な情報をうつして共有PCに差し込んで使用したりと工夫する必要があります。

1台しかないのにお互いに使うべきことがありますので、当然パソコンは取り合いに。どちらかがシャワーしていたり何か用事があるといいのですが、どちらかが待っている状態でパソコンを使い続けるのはなかなか大変なこと。しかしこれは仕方ありませんね。メールや仕事、ブログの更新等は同時にすることはできないので大変です。

しかし、例えばエミがスカイプ(インターネット無料電話)で日本の家族や友人とお話を始めたときがチャンス。コードの長いイヤホンマイクを使っているので、隣の椅子で自由にお話をしておいてもらいながら、僕はPC自体を占領して仕事やらブログ更新やらを快適に行えます。これが唯一、二人で1台のパソコンを同時使用する方法ではないでしょうか。僕としても、順番待ちをされていない状態でパソコンを触れるのは快適そのもの♪

ここ北米大陸は、ネット環境が整っているので、こうして部屋で快適につなげているのですが、さて、次の行き先では毎日の接続はできるのでしょうか。いや、毎日は難しいと思うけれど、せめて2箇所につき1度は部屋やロビーでゆっくりつなぎたいところです。乞うご期待。

【30日目】その1 世界一高い展望台 CNタワー

CNタワー

2008/04/13 その1

昨日見た今日の天気予報サイトでは、あるひとつのサイトは「大雪で最高気温ゼロ度」、別のサイトは「大晴れで最高気温6度」とありました。あさってナイアガラに行くのでトロントを楽しめるのは今日だけ。どうしても後者の天気になってもらう必要があります。そして今朝目が覚めてカーテンを開けると・・・。

「やった!大晴れや!」

はじめて見るトロントを照らしつける太陽と青空に感動した僕らは、急いで外出して街を歩きたいと思いました。やはり昨日までの真っ白で雨が降り続くトロントと、今日の青空の下のトロントではあまりにも印象が違いました。すべてが明るく見えて、外の街をゆきかう人も一気に増えた気がします。寒さは相変わらずですが、太陽の日差しはとてもあたたかく、僕らの足取りも軽くなります。

雨や雪ならやめておこう・・・。そう決めていた、世界一高い展望台を持つ「CNタワー」ですが、これだけ気持ちいい天気に恵まれたなら登るしかありません。ちょっと高い入場料を払って、エレベーターは一気に地上400mほどにある展望台へと連れて行ってくれました。トロントの街並だけでなく、オンタリオ湖が青く輝く様子が非常に美しく映っていました。これだけ高い展望台に登ったのは、8年前のマレーシア・ペトロナスツインタワー以来かもしれません。

CNタワーからの眺め タワーから下りたあとも、一日快晴が続きました。やはり暖かい日差しを浴びていると、自然と外を歩きたくなるもの。昨日までのような、モールを歩いてばかりの行動とは変わって、気分よくトロントの町全体を散策していました。250万人が住むというトロントですが、ダウンタウンはごく一部だけ。簡単に歩いてまわれます。以前訪れたバンクーバーのダウンタウンはもっと広かった印象がありますが、トロントはすぐに街が覚えやすいし歩きやすいところです。

【30日目】その2 ホットドッグスタンド

ホットドッグスタンド

2008/04/13 その2

約8年前にカナダのバンクーバーにいたとき、最終週の週末だったでしょうか、ダウンタウンのホットドッグスタンドで初めて買ったドでかいホットドッグがあまりにも美味しかったことに言葉を失うほど感動したことがありました。また、約7年前に初めてニューヨークを訪れたとき、街中に停まっているホットドッグスタンドで太いソーセージをパンにはさんだだけのホットドッグを買って自分で玉ねぎなどの具を詰めている瞬間に、ニューヨークにいることを実感したという瞬間がありました。

今回の世界一周でも、アメリカに入って以来、何度かホットドッグスタンドで購入しています。サンフランシスコで最初に買ったのはひとつ3.5ドル。ちょっと高いと思いましたが、暖かい日差しを浴びながらユニオンスクエアの芝生で食べるホットドッグは最高でした。

先日のバスケ観戦の際も、スポーツ観戦にはお決まりのホットドッグとソーダのセット。なんとジャンボホットドッグは8ドルもしてしまったのですが、どうしても食べたくなって購入。ボリュームバツグンでした。

そして、アメリカ西海岸からここカナダのトロントに入っても、ホットドッグスタンドはそこらじゅうにあります。サンフランシスコよりも多いのでは?と思うくらい、1ブロックに4つも車が並んでいることも・・・。写真にあるように、カラフルに彩られたオリジナルの車体から、チェーン展開をしているお店まで、とても個性的です。

何より、トロントのホットドッグは安い!なんと、ひとつ2ドル。サンフランシスコの約半分です。だからといってボリュームが小さいわけではなく、しっかりと肉がつまった大きなソーセージを、こんがりあたためたパンではさみます。具も9種類くらいを自由に詰めれますので、簡単手軽で楽しいランチやスナックタイムを過ごせました。

次の訪問地はニューヨークなのですが、さて、どんなうまいホットドッグに出会えることやら、楽しみです。

【31日目】その1 カナダの長距離バスに予約制度は無いの?

空港

2008/04/14 その1

ナイアガラの滝、それはトロントを訪れるほとんどすべての観光客が訪れるだろう場所です。世界三大瀑布のひとつとして、昔から教科書などでその姿を写真では見る機会は多かったのですが、ようやく実際に訪問する機会がやってきました。

3日前の天気予報ではトロント・ナイアガラともに雨やら雪やらと言われていましたが、昨日トロントが快晴だったのに続いて、今日もこの地方は天気に恵まれました。滝を見物するのに、空が雲一面でよどんでいたとしたら、せっかくの大迫力も霞んでしまうかもしれず、この点はラッキーです。

トロントからナイアガラへのアクセスは長距離バスを利用します。グレイハウンドとコーチカナダの2社が運行していますが、僕らは「Same Day Return」という当日販売割引チケットを取り扱っているコーチカナダ社を利用しました。往復で約38カナダドルです。

先日、サクラメントからサンフランシスコに向かったときはグレイハウンド社を利用しましたが、事前に名前でしっかり座席を予約していました。しかし、コーチカナダ社は、その場で乗り場に並んで、順番に乗車していく仕組みです。もし満席になってしまったら、その便には乗れずに数時間あとのバスを待たなければいけないのでしょうか?色々仕組みが整っているカナダなのにこの部分は疑問です。そういえば、9年前のコイントス事件も、バスの座席予約システムが無いから起こったトラブルでした。

トロントからナイアガラまでは約1時間45分の近距離です。左に青く輝くオンタリオ湖をのぞみながら走るバスはハイウェイも快適そのもの、ナイアガラのバスターミナルへはあっという間に到着しました。小さなバスターミナルから、適当な市バスに乗り換えてさぁいよいよナイアガラの滝との対面です。

【31日目】その2 ナイアガラの滝

ナイアガラの滝

2008/04/14 その2

朝9時半初のコーチカナダバスは、約2時間の道のりを経て11時20分ごろにナイアガラフォールズのバスターミナルに到着。そこからローカルのバスで滝周辺までアクセスし、そこからは徒歩で滝を目指します。

驚くほど派手でアトラクションがたくさんあるナイアガラのダウンタウンの町を東へ抜けるとそこには、壮大にナイアガラの滝(アメリカ滝)が広がっていました。あまりにも突然、それも普通に目の前に広がっているので最初は拍子抜けしたくらい。じっくり眺めていると、やはりこれまで見たことのある滝とは広さ、水の流れる量など、スケールがまるで違います。

残念ながら滝壺を巡るボートツアーの「霧の乙女号」はまだ時期が早くて運行していませんでしたが、乙女号のチケット売り場を過ぎて南へ進んでいくと、アメリカ滝よりもさらに迫力のあるカナダ滝が待ち構えていました。テーブルロックというルックアウトポイントに近づくと、霧の様にしぶきがとんでおり、気がついたら頭や服はけっこう濡れています。カメラなど注意しておかないと危ないですね。テーブルロックからは38メートル下までエレベーターで下がり、滝の裏からその迫力を眺めることもできました。

3時過ぎのバスでもうトロントに向かいましたので、正味3時間ほどのナイアガラ滞在でしたが、その迫力を体感するにはじゅうぶんです。カナダでの第一の目的を無事、青空のもとで果たせましたので満足いっぱいでトロントへと戻りました。昨日のCNタワーに引き続き、観光らしい観光を楽しんでいる感があります。さて、明日はいよいよニューヨークへと移動です。

【32日目】その1 トロントからニューヨークへ

アメリカン航空4772便

2008/04/15 その1

トロント朝5時起床。こんがりと焼いたベーグルにバターをたっぷり塗って紅茶と楽しむ余裕を見せながらも、着々と出発に向けてパッキング。6時半に宿をでて、気温ゼロ度のトロントのダウンタウンをおそろいのキャリーバッグをひっぱってトコトコと駅まで向かいます。

今日のアメリカン航空AA4772便ニューヨークJFK空港行きは10時のフライトということで8時ごろには空港に行こうと思うと自然とこんな時間の行動になりました。空港へのリムジンバス(15ドル)を使えばいいのですが、公共交通機関を使って地下鉄と市バスで乗り継いでいけば3ドル弱で空港まで行けますので、使わない手はありません。

事前に調査したとおり。トロント・ピアソン国際空港に8時ピッタリに到着するバスにうまく乗ることができ、無事チェックイン。今回も、トロントに入ったときと同じ、約40席ほどしかないミニジェット機ですので、ビジネスクラスの座席設定はなく、残念ながらエコノミー。でも周りに人が居ない席を選んでくれたのはちょっとした配慮でしょうか。

1時間強のフライトはあっという間。昨日のトロント・ナイアガラ間のバスよりも短い時間なのですから、楽なものです。小さく弱々しい機体は、着陸寸前に機体が折れるのではと思うほど揺れに揺れましたが無事にJFK空港に着陸。今度こそ正真正銘のウェルカムトゥニューヨークになりました。

空港がこれまた遠い。成田ほどではないにしても、1時間以上は余裕でかかってしまいます。色んなアクセス方法がありますが、僕らはもちろん公共の地下鉄を利用します。スカイトレイン(5ドル)でジャマイカ駅までアクセスし、そこから地下鉄Eライン(2ドル)に乗り込んでマンハッタンを目指します。8年前はスカイトレインなんてあったんだろうか・・・記憶にありません。

飛び乗ったEラインが意外と快適♪次々と駅を通過していくエアポートエクスプレス便だったようです。1時間くらい地下鉄に乗りっぱなしかなと思っていましたがなんと30分ほどで目的駅の5thアベニュー駅へ到着。地上に上がってビルの乱立する街並みを南に7ブロックほど下り、予約してあった宿スペース46にチェックインしました。これからニューヨーク5泊、のんびりと生活するかのように楽しめればと思っています。

【宿】ニューヨーク スペース46 SPACE46

スペース46

スペース46

人のオススメがあり、サイトを見たところとても快適に滞在できそうだったので割りと前からこの宿だけは予約を入れていました。共同バストイレですが、キッチンやインターネット環境などが揃っており、何より日本人経営の日本人向け宿泊施設というところが良かったです。

部屋もキッチンもバスルームも清潔に保たれており、セキュリティも問題なし。アクセスは地下鉄駅からは少し歩くものの、タイムズスクエアからなんと徒歩5分程度というバツグンの立地です。

洗濯機・乾燥機・洗剤も無料で使えます。

ダブルルーム・バストイレ共同・朝食無し 1泊70ドル

2008/04/15-20 合計5泊

【32日目】その2 ニューヨーク街歩きとスーパー探し

ロックフェラーセンター

2008/04/15 その2

ニューヨークの宿のキッチンが充実していることが分かったので、さっそく待ち歩きをしながらの買出し。

学生のときにはじめてニューヨークに来たときの、JFK空港から地下鉄でマンハッタンに到着して地上に上がった瞬間の大きな感動は今でも覚えていますが、それと同じくらい、やはりニューヨークを歩いているとこの街のパワーを感じます。乱立する高層ビルと行き交うビジネスマンや観光客の群れ。日本と似ていて人ごみの中をまっすぐ歩きにくい様子も、ニューヨークを象徴しています。

宿の位置は絶好。西へ2ブロックほど行けばタイムズスクエアです。あのカップヌードルの看板はもう無くなっていましたが、やはりブロードウェイの中心地として活気で溢れています。特に何も考えていませんでしたが、ひとつくらいブロードウェイ作品を見ておきたいという気持ちになりました。学生のときは学生専用のラッシュチケットで「アイーダ」を見ましたが、さて今回はどうなることでしょう。

さて、肝心のスーパーマーケットですが、僕らの宿の周辺はダウンタウンの中心すぎるせいか、あまり庶民的な大きなお店は無いようです。小さな食料品店やドラッグストアの食料品コーナーなどを利用して何とか野菜やパスタ、お米などは調達できましたが少し割高になってしまいました。また、グランドセントラル駅の地下にもモールがあり、ここでも食材は入手できるのですが、あまりにも高くてほぼ断念。なんとか数日分の自炊用食材は入手できたのでよしとしましょう。

今日は飛行機での移動の疲れもありますため、そう大きな行動はとらずに、自炊(なすトマトパスタ)を楽しんで終了。明日から、いろいろと出歩いていくことになります。

【33日目】その1 世界一周旅行中の洗濯のお話

2008/04/16 その1

世界一周旅行に数ヶ月でかけるとなると、数日~1週間程度の旅行のようにその日程分の着替えをすべて持っていくわけにはいきません。途中で洗濯を繰り返していくことになります。僕らも、数日分の着替えしか持っていませんので、その都度、洗面所や風呂場で手作業で洗濯をしてきました。

手洗いで洗いづらいものはランドリーを利用しますが、これまでイースター島とプーノで2回だけ利用したのみ。それ以外は、なんとか洗濯物を溜めすぎないように定期的に洗ってきました。

そんな僕らにとって最高にうれしいのが、宿に備えついている無料で利用できる洗濯機です。これまではコインランドリーなどはありましたが、無料で自由に使えるというところはありませんでした。あったけど使っていなかっただけのところもあるかもしれませんが・・・。

ニューヨークで宿泊中のスペース46では、なんと無料で洗濯機・乾燥機・洗濯洗剤が自由に使えます。トロント滞在中にあまり洗濯しなかったこともあり、結構洗濯物がたまっていました。ここぞとばかりに、大きな洗濯機に入りきらないくらいの洗濯を行いました。次はいつ洗濯機を利用できるかわからない。だから、最近着ていなかったものや手洗いをしたけど再度入念に洗っておきたかったものなど・・・。「昨日チェックインしてきた方なのに、どうしてこんなにも・・・」と宿のスタッフに思われたかもしれませんが、お構い無しに初めての洗濯機利用を楽しみました。

結局、色物と分けたため、2度も利用。乾燥機もしっかり使い、合計2時間以上を費やしました。この日の午前中はひたすら洗濯とのたたかいでした。宿のスタッフの方も、宿のシーツやらタオルやらの洗濯がたまっていたようで、かなり待たせてしまい申し訳ありませんが、僕らは一気にスッキリ。滞在中にあと1度は利用することになりそうです。

次はいつ洗濯機を利用できるかわからない。だから、最近着ていなかったものや手洗いをしたけど再度入念に洗っておきたかったものなど、ここぞとばかりにキレイにしてあげました。

【33日目】その2 ブロードウェイミュージカル観劇

マジェスティックシアター

2008/04/16 その2

むかし来た時に観たミュージカルが迫力満点で楽しかったので、また何か見てみたい!

僕もエミも別々ですが一度ニューヨーク訪問経験があり、それぞれブロードウェイでミュージカルを観た経験がありました。二人とも同じ気持ちでしたので、何かひとつでもいいので観劇をしてみようということになりました。

しかし僕が以前利用したような学生割引ラッシュチケットは利用できませんし、各劇場のラッシュチケットを狙うにも確実性は無いし・・・。ということで、事前に定価の数割引でブロードウェイのチケットがオンラインで購入できるサイトを利用することにしました。パソコンがこの場で使えることの強みですね。

昨日の夜にいろいろ検索していたのですが、その中でも本日午後「オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera9」のチケットが、数割引で売られているのを発見。早速、クレジットカードで購入して手続きは完了。あとはチケット売り場でカードを提示すればチケットが発券されます。

安価なほうのチケットでしたので、座席はえらく後ろの上のほうです。しかし勾配が急に作られている分、どれだけ上の席でもしっかりと舞台を見下ろせることのできるすばらしい劇場でした。

2度目のブロードウェイ観劇。今回もそのスピード感、歌唱力、演奏すべてに迫力を感じていました。この分野には経験があまりにも薄いので細かな感想や描写は避けておきますが、素人ながらその本場の雰囲気を味わうことができました。

午後2時の講演は、終わってもまだ4時半過ぎです。ミュージカルを見た後は外が真っ暗・・・という印象がありますので、その空の暖かさと明るさに驚かされます。今日は気温は20度を越えているでしょうか。薄いシャツやジャケットだけで街を歩ける、最高の気候です。

【34日目】その1 2度目の自由の女神は・・・

自由の女神像

2008/04/17 その1

8年前にニューヨークを訪れたときは、911テロ後まだ3ヶ月しか経っていない状態で、自由の女神があるリバティ島へのアクセスが制限されていた時期でした。上陸は解禁されたところだったかと思いますが、観光客があまりにも長い行列になっていて3-4時間待ちだったため、訪問は断念して近くを通る無料フェリーから眺めていました。それはそれでとても満足でした。

で、今回も自由の女神像を拝見しにロウアーマンハッタンまで朝から移動。スムーズにリバティ島へ上陸するなら朝8時前から並べ!とは言われているのですが、結局のんびり10時ごろに到着。案の定、びっくりするくらいの行列がフェリー乗り場やチケット売り場に溢れています。

エミは以前に上陸経験があるということですし、僕も「絶対に上陸!」というわけではなかったので、今回も結局フェリーでの上陸はしないことに決定。フェリーが出航するのを見送りながら、バッテリーパークで暖かい日差しを浴びながらのんびりと遠くに見える自由の女神を眺めていました。今日の気温は25度はあるでしょう、もう夏の陽気です。

【34日目】その2 ワールドトレードセンター

2008/04/17 その2

自由の女神が見渡せるバッテリーパークから北に10分ほど歩くと、あの911テロの現場のワールドトレードセンタービル跡にたどりつきます。

2001年にニューヨークを訪れたときは、事件からまだ3ヶ月しか経っていませんでした。事故の後の様子がその場にまだまだ残されており、そのすさまじさや影響の大きさを肌で感じた瞬間でした。そのときは、ニューヨークに来て最初に訪れたのがこの場所でした。

あれから8年弱が経ち、今は徐々に復興に向けて工事が進められています。当事の様子を語り継ぐためにキレイなビジターセンターが出来ていたり、現場を回るツアーが頻繁に開催されていたりと、ひとりでも多くの人に伝えていく方法がたくさん用意されています。新しいワールドトレードセンター(フリーダムタワー)が数年後の完成とのこと、あたらしいニューヨークのシンボル、平和のシンボルとなっていけるのか、ニューヨーク市民だけでなく世界中に注目されていきますね。

【34日目】その3 ヤンキースvsレッドソックス観戦記

ヤンキースタジアム

2008/04/17 その3

今回のニューヨーク訪問に関して、事前に予定を決めていた唯一のイベント。それは大リーグのヤンキースとレッドソックスの一戦を観戦することです。現在のヤンキースタジアムが最後の年をむかえるにあたり、ヤンキースの応援は例年以上に熱が入っていると聞きますし、何よりも両チームとも日本人選手が活躍している屈指の実力派チーム。そんな現場に参加できるというだけで興奮ものです。

例によって少し早めにスタジアムに向かってその雰囲気を最初から楽しむことに。ヤンキー スタジアムはマンハッタンの郊外ブロンクス地方にあります。地下鉄の急行に乗って約20分、到着した駅から地上に出た瞬間から、もう「ボールパーク」ははじまっていました。すでにビールでできあがっている人たち、お気に入りの選手のユニフォームを着ている人たち、ほとんどがヤンキースのファンで埋め尽くされていました。観戦に来ている日本人も非常に多く、やはり誰もが一度は見てみたい好カードなのだと感じます。

チケットは、日本に居るうちから手配していました。公式ホームページのチケット販売サイトからは買うことができませんでしたので、とあるオークションサイトのようなところで入手。公式価格よりは少し高めにはなりましたが、そもそもプレミアチケット扱いになっているカードですので高くなってしまうのは仕方ありません。「入手できた」ということがとてもうれしいことです。

ホテルに届けてもらったチケットは、ただのプリントアウト。とっても不安でありましたが、無事に入場ゲートのチェックを通過。予約してあった席は一塁側内野の3階席。内野といっても、実際は日本で言うところのライトスタンドのような位置です。かなり上のほうの席ではありますが、この球場も急勾配で、うまく球場が見やすくなるように作られているようです。

ヤンキースタジアム

試合開始は7時。昼間が暑いくらいの気温でしたので日が落ちても暖かさは続いていました。古い電光掲示板にはスターティングラインナップが書かれているのでしょうか、座席の角度からは見えません。レッドソックスの松坂投手は先発しないことが分かっていましたので、今日観れるとしたら、レッドソックスの岡島投手か、ヤンキースの松井選手。

しかし、2回の裏のヤンキースの攻撃になっても松井の55番が出てこないではありませんか。よく見てみると、外野の3人には55番は居ませんし、どうも指名打者としても出ていないようです。そう、なんと、好調の松井選手が今日はスタメンで出場していないのです!まさか1週間ぶりにスタメンを外れるゲームが今日になるなんて・・・。でもゲームが進むうちにいろんな展開があるだろうと、期待しながら観戦を続けました。

試合はレッドソックスの一方的ペース。ラミレス選手の2打席連続ホームランなどで一時は7-0の圧倒的リードでした。僕らはどちらを応援するというわけではないのですが、ホームとしてヤンキースの応援をと思っていました。いきなりメッタ打ちで、早くも勝負あったか・・・という雰囲気になっていました。

松井が出ないなら岡島を!そう思いながら観戦していたのですが、そう、岡島も試合が緊迫している状態で登板するセットアッパーです。このままレッドソックスが圧勝となると、先発投手の完投か、違う中継ぎが使われるでしょう。ヤンキースが猛攻して反撃していくしかありません。

何とか3点を返して7-3。そのときです。7回ころからあの見覚えのあるフォームで投球練習をはじめた投手、そう岡島です。ブルペンで肩を作りはじめました。もうすこしヤンキースが反撃していくときっと登場するでしょう。これは期待大です★

しかし、8回も簡単に攻撃を終えてしまったヤンキース。結局9回は抑え投手が登場となりましたので、岡島投手の出番はありませんでした。

「このまま日本人選手がひとりも見られないのか・・・」

ちょっと残念な気持ちになっていた9回裏ヤンキースの攻撃。7-3で2アウト。絶体絶命です。そのときです、ネクストバッターズボックスに立っているその姿、それはまさに55番、松井秀喜ではありませんか。代打での登場を前にして、入念にストレッチと素振りを行っています。しかしすでに2アウト。今の打者がアウトになってしまうと、試合は終了。松井の出番はありません。ここは祈るしかありませんでした。

そして奇跡はおきました。なんと、前の打者が放った打球はライトスタンドへ一直線。2ランホームランで得点は7-5の2点差。9番打者に代わって代打・ヒデキマツイの名前がコールされるまでの時間、ヤンキースタジアムは今日いちばんの盛り上がりを見せました。やっと念願の日本人選手がグラウンドに立ったのです。

ヤンキースタジアム

結局、三振にうちとられてしまい、最後のバッターとなってしまいました。ヤンキースも負けてしまいました。でも、残念な気持ちというのは全くありません。最後の最後にこんなに興奮の渦に身を置けたことに大満足しました。アメリカで一番人気のスポーツである野球をはじめて生で観戦し、このヤンキースタジアムで数万人の観客とこの空間を共有できたこと、最高の思い出になりました。

試合時間は3時間半。宿に戻ったのはもう12時近くでした。夜中に乗るニューヨークの地下鉄は、まったく安全で快適です。また地上に上がっても、街中はとても明るく、ミュージカルの観劇を終えた人や、一杯飲んだ人など、たくさんの人がまだまだ行き交っていて決して眠らない街ニューヨークはいつまでも明るく盛り上がっているようでした。

【35日目】モマMOMA

モマ

2008/04/18

8年前にニューヨークをおとずれたとき、ニューヨーク近代美術館(MOMA)でアンリ・マティスの「ダンス」を見ようとこころに決めていたのですが、なんとそのときはタイミングの悪いことに、東京・上野の美術館に貸し出されていました。次ニューヨークに来る機会があったとしたら、今度こそは見ておきたいとずっと思っていました。MOMAに来て「ダンス」を見ずに帰ることはできません。

そのチャンスは、この金曜日の夕方しかありません。本来は、MOMAへの入場はひとり20ドルという高額な入場料がかかります。僕らふたりで40ドル。予算に大きく響くので悩みどころでした。

しかし調べてみると救いの手はあるようです。なんと、金曜日の夕方4時から8時までに限って、ターゲットというスーパーがスポンサーになり「全員入場無料」となっているのです。ニューヨークに来てからそのことを知り、このタイミングを逃すことなく、MOMAを訪れることにしました。

入場制限があったり、長蛇の列があるなど、予想をしていたのですが、5時半ごろに着いた時点では行列も入場制限もまったくありませんでした。もちろん館内は人がかなり多いのですが、スムーズに入館することができました。入り口では無料のチケットがばら撒かれるように配られています。写真右は、フリーのチケットで作った「FREE」の文字・・・。ここから勝手にチケットを取って、入場します。

絵画の配置場所は頻繁に変わるのかどうか分かりませんが、現在の配置ではマティスの「ダンス」を見つけるのは、簡単なことではありません。5階にあるマティス専用のギャラリーにはありませんし、この時代の絵画を扱う4・5階を隈なく探しても、なかなか見つかりませんでした。答えは「ギャラリー14」という、4・5階の間の、一部工事中の階段の途中に配置されています。1時間近くさまよった最後にたどり着いたこの場所で、しばし足を止めてじっと眺めるのでした。

【宿】ローマ Hotel Serena ホテルセレナ

HOTEL SERENA

いつもホステル等を予約しているホステルワールドのサイトでローマの宿を色々探したのですが、なかなか評判の良さそうなところが見つかりませんでした。また、ユーロ高のおかげで、ホステルのプライベートルームだと1泊1万円以上するようなホテル並の価格ばかり。

これなら普通のホテルに泊まっても値段は変わらない!ということで、別のサイトで3つ星ホテルを予約。ローマの交通の中心であるテルミニ駅からなんと徒歩2分。長距離列車・地下鉄へのアクセスがバツグンなだけでなく、主要な観光地までは徒歩圏内という便利さです。

部屋は清潔に保たれていますし、ホットシャワーもたっぷりでます。ホテルとして何も問題ありません。朝食は、普通のレベルでした。

朝食付き 1泊80ユーロ

2008/04/21-24 合計3泊

【36日目】Take Your Dream!

2008/04/19

今回の世界一周旅行では、特に誰か知人・友人を訪問したり、会ったりという予定はほとんどありません。行く先々でプライベートな訪問先があればさらに楽しいのですが、なかなかそのような機会はありませんね。

そんな中で、今日は珍しく、友人に会うことができました。日本で某プロジェクトで短期的にかかわり、その後何度か日本で飲みに行くようになった同い年の友人なのですが、彼は今、自身の目標をかなえるためにニューヨークに長期滞在しています。たまたまタイミングが合いましたので、1年半ぶりくらいに再会し、クィーンズの有名店「Joe's Shanghai」で深夜の飲茶を楽しみました。

日本で安定した地位をすて、どうしてもかなえたい目標に向かってまい進する姿は、到底真似できません。下積み時代からずっとお話は聞いていますが、徐々に状況は好転しつつあるようです。今はその業界には少しずつチャンスが広がってきているような気がします。次、日本で会うのか、またまたアメリカのどこかで会えるのか分かりませんが、その時は今のステージからさらに一つ上に進んでいるに違いありません。

【37日目】その1 アメリカ大陸から次なる地へ

JFK

2008/04/20 その1

ニューヨーク最後の朝を迎えました。5泊という、比較的長めの滞在期間だったニューヨークですが、やはり見所があまりにも多いため、あっという間に時間は過ぎ去って行きました。宿も非常に快適で、天気も良く、2度目のニューヨーク観光も大成功に終わりそうです。今日はどうやら初めての曇り模様。ちょうど出発するにはベストなタイミングなのかもしれませんね。

12時ギリギリに宿をチェックアウトして、そのままJFK空港へと向かいます。5AV/53ST駅から地下鉄「E」ラインに乗り込んで約20分で東の端のジャマイカ駅に到着。そこからスカイトレインへと乗り換えて約15分ほどでアメリカン航空が発着するターミナル8へと到着します。

今日は久しぶりの長距離フライト。ペルーのリマからロサンゼルスへと戻ってきたときが8時間でしたが、今回はニューヨークから東へ飛んで8時間。夕方5時に出発して、時差を6時間すすめて、現地午前7時に到着予定です。

各方面に多数のフライトがあるため、チェックインカウンターは少々混んでいるようでしたが、やはりビジネスクラス・ファーストクラスのカウンターは空いています。すいすいとチェックインをすませ、さらに今回のフライトの更に次のフライトの「オープンチケット」に予約を入れてもらい、アメリカ出国です。

南米大陸、そして北米大陸を渡り、そして次はいよいよ大西洋を飛び越えて遥かなる地、ローマへと向かいます。

【37日目】その2 ニューヨークJFK空港 アドミラルクラブラウンジ

JFKラウンジ

2008/04/20 その2

JFK空港の第8ターミナルでは、ビジネスクラスの乗客は、アドミラルクラブラウンジという会員専用ラウンジを利用できます。これまで使ったラウンジの中では、割と簡単なつくりをしています。多数の便があるせいか、利用者も多く、ほとんど満席の状態でした。

軽いスナックとソフトドリンク、各種アルコール類は自由に飲み放題。出発前のひとときをリラックスして過ごすには十分な空間です。ただ、インターネット接続は、備え付けられているパソコン数十台のみで、自分のPCを無線LANでつなぐには、接続のためのIDを購入しなければなりません。8ドルとのことです。もちろん、ちょっとした時間だけのラウンジ滞在でしたので、利用はしませんでした。また、備え付けのPCのハードディスクへのアクセスや、外部メモリの使用も不可でしたので、ブログ更新などできず残念でした。

とはいっても、ラウンジの存在は助かります。ふかふかのソファでドリンクを楽しみながら搭乗ギリギリまで待てますし、呼び出しがあってからゲートに向かっても、優先搭乗のため待つことなく飛行機に乗り込めます。

【38日目】その1 5カ国目イタリア・ローマに到着

機内

2008/04/21 その1

アメリカン航空236便は、出発時点のニューヨーク時間17時に対して、ローマ時間23時。早速夕飯が始まります。この夕飯のボリュームがすごい。

ワインとチーズを楽しんだあと、前菜にスモークサーモンや海老の蒸し物。一皿山盛りのサラダに続いてメインの牛フィレステーキ、アスパラとマッシュポテト添え。そしてデザートにまたまた山盛りのアイスクリーム。テーブルクロスが敷かれた上に、上記が一皿ずつサーブされます。すぐに寝なくてはならないのに、結局食べらるだけ食べてしまいます。

食事のあとは、お決まりのビジネスクラスならではのフラットシートで就寝。ラン航空のときのような180度完全に水平ベッドにはなりませんでしたが、それでも170度くらいにはなったでしょうか。横になって熟睡するには申し分ありませんでした。気付いたときには夢の中。アメリカン航空のビジネスシートもやはり快適そのものでした。

目覚めたときにはもう空は徐々に色づきはじめていました。機内の現在地マップを見ても、すでにスペイン・フランスの上空あたり。大西洋をこえてついにヨーロッパ大陸へと入ってきました。そして、現地時間の朝7時半、ローマ・フィウミチーノ空港へと着陸したのでした。

【38日目】その2 空港からローマ市内へ

レオナルドエクスプレス

2008/04/21 その2

イタリアの入国審査は簡単なものでした。いつも面倒な入国カードや税関申告書などの書類は一切ありませんし、パスポートコントロールの際に何も質問されることなくノーチェックでスタンプを押して通過。あっという間にイタリア入国です。

さて、ここから街を目指します。毎度のことながら、できる限りお手ごろな方法でいきたいところですが、空港から中心のテルミニ駅への直通列車「レオナルドエクスプレス」は、なんと11ユーロもかかります。他に格安の何か手段があったのかもしれませんが、分からなかったのでこの列車を利用。さすがにノンストップで駆け抜けるのは快適であっという間にテルミニ駅へと到着しました。

予約してあったHOTEL SERENAはテルミニ駅から徒歩2分。荷物を置いてさっそく早めのランチ。ユーロ圏に入ったら物価がバカ高になりますので、気をつける必要があります。宿の周りにはアラブ系のファストフード店が多くあり、ピタでグルグル巻きにしたドネルケバブが3ユーロ。これはボリューム満点で非常に助かります。

【38日目】その3 ローマ散策 トレヴィの泉~スペイン広場

ローマの休日

2008/04/21 その3

今回の大西洋横断フライトは大規模な長距離移動としては3回目です。これまでは、やはりビジネスクラスとはいえ、長距離フライトのあとは結構疲れがたまっていたのですが、今回は旅慣れてきた影響か、移動がスムーズにいったためかわかりませんが、二人ともとても元気な模様。午前中にホテルに着いたということもあり、少し休んでからローマ市内を散策へと出かけました。

まずはホテルの場所から徒歩で歩ける範囲で見所は無いかと、地図を眺めます。ローマはイタリアの首都ではありますが、実際地図を見てみると、観光でまわるエリアというのは実にコンパクトにまとまっており、意外と分かりやすいのです。がんばれば徒歩でもほとんどをまわることが出来ますし、地下鉄も非常に使いやすい。実に観光しやすい街であることが分かります。

さて、早速観光開始です。まずホテルのあるテルミニ駅から西へ20分ほど歩くと、観光の中心地ヴェネチア広場があります。この広場は大規模改修中のようでゆっくりすることはできませんが、随所にローマ時代の建築物の跡や柱が見られます。普通に転がっているのがすごいです(下の写真左)。

ローマの休日

ヴェネチア広場から、最初の目的地「トレヴィの泉」へは北へ徒歩で約15分。右の写真のとおり(fontana di torevi)、案内が出ていました。また、「ローマの休日」でおなじみのスペイン広場(piazza di spagna)もその先すぐ近くです。

中世に迷い込んだかのような小道をテクテク歩いていくと、突然観光客の群れに遭遇します。そう、そこがトレヴィの泉でした。後ろ向きに泉に向かってコインを投げると、またいつかローマに戻ってこれるという言い伝えがあるこの場所は、思ったよりもこじんまりとした場所で、その狭いエリアに観光客がひっきりなしに訪れ、そしてゆっくりと過ごしています(上部写真左)。

ここからさらに10分ほど北上すると、長い階段(スペイン階段)が有名なスペイン広場につきます。ここも観光客と現地の人々が入り混じって階段に腰掛けています(上部写真右)。映画「ローマの休日」は、何度か見たことがありますが、なるほどここが前半のシーンで出てくる階段のことですね。

今日のローマは、モクモクと曇った空から時折青空や太陽が顔を出す天気でした。2日ほど前にニューヨークから天気予報をチェックしたときは、見事に今日から3日間は「大雨」の予報だったのですが、今日はギリギリ降らずにいるようです。明日・明後日もローマ市内をぐるぐる観光する予定ですので、どういう天気になるのか非常に気になります。

【39日目】その1 コロッセオとフォロロマーノ

2008/04/22 その1

古代ローマ時代の円形闘技場「コロッセオ」

2000年に上映された映画「グラディエーター」で剣闘士同士が戦う姿や、剣闘士と猛獣が戦う様子がリアルに描かれていたので記憶にある人も多いかもしれません。僕にとっても、ローマと言えばコロッセオというくらい強い印象があり、訪れたい場所のひとつでした。

荒れ模様と言っていた天気予報どおり、昨晩から夜中にかけて豪雨と雷が鳴り響くひどい天候でした。このままでは日中も外出できないほどでは?と心配していましたが、朝になってみると雨はなんとかあがっており一安心。とはいえ暑い雲が空を覆っていたため油断は禁物です。

コロッセオまではテルミニ駅から地下鉄でたった2駅。歩くこともできる距離ですが、雨も考慮して電車で行くことに。案の定、駅から地上に出たときにはポツポツと再び降りはじめていました。今日1日は、時折晴れ間は見られたのですが終日にわたって雨は完全に止むことはありませんでした。

コロッセオ(写真左)は、予想通りの大迫力。駅から出た瞬間に目に飛び込んできた姿に圧倒されますし、実際に中に入ってみると2000年経っても残っている現状に驚かされます。真っ青な空だったらさらに良かったのですが、青空が入った写真は上記の1枚のみ。雨と風で寒さを感じながらのコロッセオ観光でしたが、期待していた通りの満足が得られました。

ここで購入した入場券は、となりに位置しているフォロロマーノ(写真右)の入場券としても共通して利用できます。フォロロマーノは古代ローマ時代の市街地の遺跡ですが、これがまた広い。マチュピチュと同じとまでは言えませんが、それくらいの広さを誇っており、また、当事の建築物や柱などがそのまま残っている部分もあり見所十分です。インカの建築法とは若干違い、石の積み方なども比べてみると興味深く見られます。

午前中でこの2箇所を見てまわるつもりが、気付いたらもう14時過ぎ。空腹を満たす場所があるか探しながら、次なるポイントへと向かうのでした。

【39日目】その2 真実の口で記念撮影しよう

2008/04/22 その2

フォロロマーノから南西へ徒歩で15分ほど。サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の一角に、「ローマの休日」で有名な「真実の口」があります。ウソをつくと手が抜けなくなると言われているアレです。

教会自体はこじんまりとしているのですが、「真実の口」を目指してやってくる観光客が次々と中に入っては外に出てきますので遠目からもすぐ発見できました。

真実の口は教会の奥のほうにあるのかなと思っていたら意外なことに大通りに面した、大通りからも様子が伺える場所にありました。写真左は大通りから普通に撮れたものです。「お決まり」のポーズで写真を撮っては、次に並んでいる人に交代していくので割とスムーズに流れているようですが、写真右のように、常に行列ができている状態です。

僕らも一番後ろに並んで順番待ち。その間も次々と写真撮影が行われては交代し、僕らの後ろにもどんどん列が増えているようです。びっくりするくらいの入れ替わりと観光客の多さです。

もちろん僕らも例のポーズで記念撮影。あと2人で順番がくるというあたりから、台の上に三脚をセッティングしてセルフタイマーで撮る徹底振り。ブレることなく良い写真が撮れました★

【39日目】その3 カラカラ浴場

カラカラ

2008/04/22 その3

カラカラ浴場と言えば、3世紀にカラカラ帝によって造られた温泉などのレジャー施設のことですが、世界史の教科書などで目にすることがあるので記憶にある人も多いのではないでしょうか。この特徴的な名前から、一度聞いたらなかなか忘れることが無いかもしれません。

僕の場合も世界史でその面白い名前の響きを聞いて、それ以来関心を持っていました。また、漫画キン肉マンに登場するペンタゴンという超人の笑い声が「カラカラ~」だったのも、僕の記憶への定着を後押ししているような気がします。

真実の口での記念撮影を楽しんだ後、そんなカラカラ浴場へと向かいました。雨のせいなのか、他の観光地よりマイナーなのか、コロッセオなどと比べて格段と観光客が少ないのが気になりましたが、その分、この広い遺跡を思う存分歩き回りました。

今はもう、廃墟というくらいに荒れた遺跡になっていますが、ここに温泉があったという場所は随所に見受けられましたし、温泉の床に描かれていた大理石もいくつも展示されていて興味深く眺めていました。これらが西暦215年から造られていたというのですからローマ帝国の歴史を感じずにはいられません。

【40日目】その1 ヴァチカン市国は6カ国目?

ヴァチカン

2008/04/23 その1

ヴァチカン市国はローマ市内にある人口1000人ほどの独立国・・・。ということはイタリアに次ぎ、僕らにとってこの世界一周旅行6カ国目となります。パスポートコントロールなどはありませんが、れっきとした1カ国。地下鉄駅から10分ほど歩いて城壁をくぐれば、そこはカトリック教会の総本山、ヴァチカンです。

昨日の天気とはうってかわって、朝から雲一つ無い青空が気持ちよく広がっていました。バチカン宮殿の前の大きなバチカン広場も、そんな青空に映えわたっていました。

ヴァチカンはこれまたすごい観光客の数。サンピエトロ寺院に入るための荷物検査には長蛇の列が続いていましたがこれを越えるとすぐに寺院の中に入れます。これまで各地のキリスト教寺院を訪問してきましたが、やはりさすが総本山だけあって、規模と迫力が違います。絵画、彫刻なども精巧で見ごたえ十分。ミケランジェロ作の彫刻もあります。

ヴァチカン

また、寺院の屋上へも、500段の階段(もしくはエレベーター+階段300段)でアクセスすることができ、そこからのヴァチカン、そしてローマの眺めは圧巻です。テレビや写真でよく観る、ヴァチカンの光景そのものが広がっています。

完全にローマの中にある小国のため、国境を越えた日帰り旅行・・・という気持ちではありませんでしたが、かつて、スイスのチューリヒから日帰りで小国リヒテンシュタインを訪問したことをふと思い出しました。こうしていつの間にか徒歩で国境を越えている、という日本にいるとまずありえない体験ひとつが、とても貴重で面白いものです。

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