ある出来事によって、決まっていた世界一周の出発日

世界一周旅行に行こう!と決まった時点で、実は出発日が定まっていました。自宅のデスクトップパソコンの画面には「2008年3月10日に世界一周旅行出発」と書かれています。これは世界一周を志した2004年ごろからずっと変わっていません。

そして、実際に出発したのは2008年3月15日。ほんの5日の誤差しかありません。その誤差も、フライトの残席の都合で移動しただけで、実際は予定通りの出発日にすることも可能だったのです。

「絶対にこの日に出発する」とあらかじめ決めておくことが、世界一周を本当に実現させるためにはとても重要なことだと思います。僕らの場合も、「いつか、行きたい」というだけでは、なかなか現実のものとはならず、夢を持ちながらそれに近づけない状態が続いていたかもしれません。実際の「予定」にまで落とし込む。それがとても大切です。

では、なぜこの2008年3月10日にしようと思ったのか。それはとても個人的な理由からでした。

2003年3月10日、このとき24歳だった僕は、地元奈良県内の某病院で、胃癌の手術を受けました。胃の3分の2を摘出し、無事、癌の病巣を取り除くことができました。今でも検査医には「もう少し発見が遅れてたら危ない・・・」と言われるくらい、ギリギリの発見だったようです。

手術後の入院中は、じっくりと考える時間がありました。

今後、どのように生きていこうか、もっと人生を楽しむためにはどうしたらいいのか。もっと自分の心の声に正直に、せっかくの人生を後悔なく生きていきたい!

色々と考えていた「これからやりたいこと」の中に、世界一周旅行が浮かんだのです。

この時までに世界各地を旅していましたが、まだまだ行きたい場所はありました。でも社会人1年目の自分にとっては、もう自由に世界を旅して回るのは当分無理だろうという諦めがありました。でも、よく考えてみたら、サラリーマンとして今後も40年間働かなくてはいけない、なんて誰が決めたことでもありませんん。自由に、自分の好きなように生きる権利は誰にでもあります。そう考えたら、「命がある」という自分には、まだまだたくさんの選択肢があり、可能性があるということに改めて気付いたのでした。

その後、この時期を支えてくれた妻とともに目標に定めた「世界一周旅行」。この出発日は、一般的に「癌」という病気が治癒できたとされる5年後。つまり、手術日の5年後の2008年3月10日を出発予定日と定めました。

※病院のベッドの上で読んだ、高橋歩氏の「LOVE & FREE」は、脳に大きなショックを与えてくれました。人生の可能性、チャレンジの大切さ、そして後悔の無い生き方というのを大きく考えさせられる一冊です。読んだのが病院のベッドというのは、結構強烈ですよ。

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